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群馬会場はJ5クラブの強化担当者もチェック。高校生サッカー・大学合同トライアルでアピール成功する選手も

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 新型コロナウイルスの影響でアピールの機会を失った高校生たちの進路をサポートするために発足、開催中のプロジェクト「高校生サッカー・大学合同トライアル-THE CHALLENGE- supported by 森永乳業」は7日、高崎市の前橋育英高高崎グラウンドで群馬県会場のトライアルを実施した。

 この日、会場には群馬県内の高校生38名が集結。大学、その先のステージでの活躍を目指す高校生たちのプレーをチェックするため、関東、北信越の12大学の強化担当者や指導者、そして湘南ベルマーレ松本山雅FCFC町田ゼルビアザスパクサツ群馬栃木SCの強化担当者も会場を訪れた。隠れた“才能”を発掘しようとする関係者たちが見守る中、野心を持つ選手たちが25分×4本の紅白戦に臨んだ。

 前日の栃木会場ではCB三浦聖矢(羽黒高)やMF友野悠晟(羽黒高)が高評価を獲得。また、MF佐藤真哉(矢板中央高)やMF正野龍聖(羽黒高)、DF長谷川壌(佐野日大高)、MF吉田巧稀(文星芸大附高)、MF柴田大地(栃木ユース)といった選手もアピールしたという。この日も189cmの大型GK牧野虎太郎(前橋育英高)やいずれもキックが正確で対人守備も強いCB近藤快斗(共愛学園高)と左SB上野大空(前橋商高)、前線でボールを収めるFW須藤倫汰(共愛学園高)が光るプレーをして見せた。

 また、プリンスリーグ関東勢の桐生一高の守備の要、CB中谷優太やMF松尾琉雅、伝統校・前橋商高のMF石倉潤征主将、MF石川和馬(伊勢崎商高)、CB武馬陸人(桐生一高)らも力を示し、MF塩澤琉斗(健大高崎高)は2ゴールの活躍。計10人が参加した名門・前橋育英高勢もAチームでの活躍を狙うMF村田迅やMF大沢勇太が、山田耕介監督をはじめとしたコーチ陣が見守る中、技術力、判断力の高さを発揮していた。
 
 この日、「高校生サッカー・大学合同トライアル-THE CHALLENGE- supported by 森永乳業」開催のために会場を提供した前橋育英の山田監督は「こういうのは良いですね。選手はいつ伸びてくるか分からないですから」とコメント。現在セレッソ大阪でブレイク中のMF坂元達裕は前橋育英で「(入学時はとても小柄だったが)ずっと(ボールを)取られないように工夫しながらやってた」(山田監督)ことで土台を構築し、東洋大、モンテディオ山形、C大阪で飛躍を遂げている。日本大から今年北海道コンサドーレ札幌入りしたMF金子拓郎も高校からのプロ入りこそかなわなかったが、前橋育英で力を身に着け、大学でより評価を高めた選手。山田監督には可能性のある選手たちが多くの関係者の目に触れて、“高校後の”チャンスを掴んで欲しいという思いがある。

 またこの日は、今年4月に上武大のアドバイザーに就任した元日本代表CB岩政大樹氏も来場した。山口県立岩国高から東京学芸大へ進学し、大学サッカー、Jリーグで自身の道を切り開いている岩政氏。選手たちが受け身にならずに自分で行きたい大学を見つけて、その道へ進むための術を考えて行動して欲しいという考えだ。だが、今年はその行動をすることも難しい状況。その中で「高校生サッカー・大学合同トライアル-THE CHALLENGE- supported by 森永乳業」が高校生選手たちの将来を助ける貴重な機会になっていることを認め、「(このトライアルが)それだけの価値があると思う」と頷いた。

 岩政氏も選手たちの姿勢や身体の使い方、プレーの中での頭の回し方、将来の可能性に目を向けていた。もちろん、見る側の目も厳しい。あるJクラブスカウトは「もっとバチバチやってほしいですね」と強度のある中でより積極的に自分のストロングポイントを出すことを期待。普段は違うチームでプレーする選手たちと意思疎通することは簡単ではないが、その中で自分の力をしっかりと発揮できるかも重要だ。

 この「高校生サッカー・大学合同トライアル-THE CHALLENGE- supported by 森永乳業」は関東1都7県の会場でトライアルが行われる予定。すでに山梨県、栃木県会場でのトライアルは終了し、明日8日は茨城県、その後神奈川県、東京都、千葉県、埼玉県の会場で夢を持つ高校生たちが自身の将来を懸けてチャレンジする。

(取材・文 吉田太郎)
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