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久々のウイイレから半年後にプロへ…東京V「ウイイレ」部門加入のYUKIの道のりとは

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東京Veスポーツに加入したYUKI

 東京ヴェルディは6月14日、「eスポーツ ウイニングイレブン」部門の『コンソール』カテゴリにYUKIが加入することを発表した。社会人4年目の25歳にとって、ウイイレは学生の頃に触れていたもの。サッカーに打ち込んでからは疎遠になっていたが、19年初めにプレーを再開させた。そして19年秋に挑んだオフライン大会「eスポーツMax GAMING FESTIVAL 2019 Autumn」で優勝。今年6月には東京Veスポーツ加入が決まり、異例の速度でプロプレーヤーとなった。

 サッカー好きなら誰もが触れたことがあるウイイレ。「おれこそが最強」とあれだけハマったにも関わらず、社会人になって自然と距離を置いている人も多いはずだ。ふとコントローラーさえ手にすれば“■でシュート”の操作はそのまま、ゴールに刺さる快感も甦るだろう。そんな大人のひとりだったYUKIはただ楽しむだけでなく、その感覚を頼りにステップアップを決意する。ゲキサカでは、プロのeスポーツプレーヤーとなったYUKIの道のりに迫った。

――ウイイレはいつから始めましたか。
「小学校2年生のときに、プレイステーションでやったのが最初のプレーですね。同時期にサッカーも始めていて、その関係でサッカーゲームにも興味を持ち始めました。ものすごくハマりましたね。ゲームも好きだったのでかなりのめり込んで、地元では敵なしといいますか。すごく上手かったと思います。最初は友人もやっていなかったので、ひとりでコンピューター相手に黙々と練習をしていまして、友達と対戦してみると人より上手かった、という感じですね」

――サッカーもやっていたんですね。
「小学校2年生から大学卒業までやっていました。小学校のときに地元のクラブチームに所属していて、県で2位とかが最高成績だったと思います。中学に上がっても同じクラブチームに中学のカテゴリがあったので、そこに所属していました。フットサルにも注力していて、ベスト4とかが最高成績で。個人では新潟市の選抜に選ばれました。大学でのサッカー部は推薦でしか入れなくて、最初はサークルに入っていたんですけど、友達が社会人リーグに入っていたので、助っ人という形で行っていました」

――ウイイレはどれくらいまでプレーしていたんですか?
「本当にのめり込んでやっていたのは、小学校2年生から中学卒業までですね。高校からは勉強も忙しくなって、きっぱりゲームはやらなくなりました。中学の頃はオフラインで、コンピューターとやるか友達とやるか。ほとんどコンピューターですね。コンピューターの一番強いモードで一番強いチームを使わせて、自分が一番弱いチームで勝負していました。友達とやってもけっこう差があったので…10-0くらいで勝つときもありましたね」

――強くなった要因は何だと思いますか。
「もともとゲームが好きっていうのもあるんですけど、今と昔のウイニングイレブンで違いがあって。昔のはゲームが得意な人が強いっていう印象なんですけど、今のはサッカーを知っていてある程度戦術を理解していないと上にいけないかなって思っていまして。そういった意味だと、自分がひたすらゲーム好きっていう性格があったので、そこがうまくハマったのかなと思います。昔のウイニングイレブンはひとりの選手がひたすらドリブルすれば点が取れる、みたいなところもあったので」

――たしかに直角のドリブルで簡単に抜けましたね…ウイイレを再開したのはいつでしたか。
「大学時代も全然やらず、19年の1月に再開しました。始めた当初は昔のイメージもあったので、通用するかなって思っていたんですけど、最初は本当に勝てなくて。それがすごく悔しくて、その年のタイトルの発売から半年後でしたけど、2000試合以上はこなしたと思います。めちゃくちゃ練習して、オンラインもそこで始めました」

――そんなに最近の出来事だったんですね。
「自分は18年末に新卒で入った会社を退社していまして、いま勤めている会社には19年2月に入社予定でした。12月中には決まっていたので、1月から2月までは何もない期間があったので。そこでウイニングイレブンを再開させました。前作はあまり他のプレーヤーとの接点がなく、寂しさとかつまらなさも感じていて。ツイッターを始めて、ウイニングイレブンのプレーヤーも温かく迎えてくれて、これに乗じてYoutubeもちょっと投稿しながらやってみようかなと思って20年1月から始めました」

――最初はプレーヤー名も「うにばり」でしたね。
「髪が直毛で、小学校のときから海鮮のウニと呼ばれることが多くて。名前は悩んでいたんですけど、ウニで針(ばり)で…と笑」

――その名前で出場した19年11月のオフライン大会「eスポーツMax GAMING FESTIVAL 2019 Autumn」では優勝しています。
「初めてのオフライン大会の参加で優勝しました。大会で試す機会があったら…と思っていたところ、ツイッターでたまたま募集を見かけて、この大会に参加するためにツイッターを始めて、大会にも初めて参加しました。優勝には自分も驚きつつ、いい感じに波に乗れたのかなと思います」

――ご自身の強さの秘訣は何でしょうか。
「昔から落ち着いているといわれていまして、実際のサッカーのプレースタイルも中盤の落ち着きを監督から言われていました。ゲームでもその性格が出ていると思っています。ゴール前のシュートの選択も落ち着いているって周りから言われることも多いので、状況を冷静に見られたり、落ち着いてプレーできるっていうのは強さの要因かなと思います」

――メンタル面の安定が勝敗を分ける。
「失点しても焦ることなくて、特に最近のウイニングイレブンだと失点してカーっとなる人も。前線からプレスに行ってしまうと、逆にカウンターを食らって失点とかもあるので、いかに冷静に試合を運んでいけるか、というのはけっこう大事ですね」

――プレーヤーとしての今後の目標は何でしょうか。
「一番の目標として、日本代表として日の丸を背負って戦いたいですね。現状をいうと、今年はあると選手が公式世界大会『eFootball.Open』優勝という快挙を成し遂げました。次作は自分もあの大会でアジア代表として戦いたいっていうのが目標ですね」

――後編に続く――

(取材・文 石川祐介)

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