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[関東]“じゃない方の久保”からの脱却を…法政大ルーキー久保征一郎の大学初ゴールは「気持ちで蹴り込んだ」ゴラッソ

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大学入学後2戦目で初ゴールを奪った久保

[9.12 関東大学L1部 法政大1-2順天堂大 RKUフットボールフィールドA面]

 法政大は前半23分、FW久保征一郎(1年=FC東京U-18)がDF高嶋修也(2年=明秀日立高)からのボールを胸で受けて巧みにコントロール。「ちょっと浮いたボールを抑えることは得意なプレーのひとつ。あとは気持ちで蹴り込んだ感じです」。落ち着いて反転してボレーを蹴り込むと、ボールは豪快にゴールネットを揺らした。

 この日の対戦を楽しみにしていた。相手の順天堂大にはFC東京U-18出身の同期、MF小林里駆も先発メンバーに名を連ねていた。「お互いに点が取れたらいいね」と話し合っていたという2人。しかし初ゴールこそ久保が奪ったが、小林はフル出場してチームの逆転勝利に貢献した。

 久保が交代したあとに逆転された試合とはいえ、悔しさはつのる。「試合後はみんなと一人ひとりが周りを巻き込むくらいの意識を持つことが必要だということを話し合いました。学年関係なく周りを巻き込む力が必要になってくると思うので、練習から意識してやっていきたいと思います」。

 久保は18年、19年とFC東京で2種登録。昨年はJ3に18試合に出場。2ゴールを決めて結果を残した。ただトップチームへの昇格は叶わなかったことで、「(知り合いが)誰もいないところに飛び込んで、どれだけやれるかを試したかった」と法政大への進学を決めた。

 ユースの同期にはあの久保建英(ビジャレアル)がいた。同じ苗字のFW。比較されることもあり、“じゃない方の久保”といじられることも少なくなかったという。「建英が上じゃなくて、自分も悔しい気持ちがあった。まだ到底手の届かない選手ですけど、いつか追い越すくらいの選手になっていきたい」。

 デビュー2戦目で初ゴール。順調な船出となった大学リーグだが、今後も「1試合1点を確実に決められる選手」になるために、練習からレベルアップに努めていく。「普段の練習からチームメイトからの信頼が大事だと思っています。チームに欠かせない選手にこれからなっていければいいなと思います」。

 現在得点ランキングトップの平山駿(4年=三菱養和SCユース)や佐藤大樹(3年=札幌U-18)、飯島陸(3年=前橋育英高)らFWのレギュラー争いはし烈だが、チームメイトからの信頼を積み重ね、定位置を勝ち取ってみせる。

(取材・文 児玉幸洋)
●第94回関東大学L特集

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