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新人戦で前育撃破、群馬3位の常磐が5-0で勝利。「気持ちとまとまり」、そして堅守で次は桐生一に挑戦

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前半32分、常磐高はSB南雲颯がヘディングシュートを決めて2-0

[10.18 選手権群馬県予選3回戦 常磐高 5-0 藤岡工高 太田市運動公園]

 第99回全国高校サッカー選手権群馬県予選は18日に3回戦を行い、県新人戦3位の常磐高が藤岡工高に5-0で快勝した。常磐は10月25日の準々決勝で桐生一高と戦う。

 常磐は県新人戦で前橋育英高を1-0で下すなど、5試合でわずか2失点。堅守で県3位に食い込んだ。間野健彦監督が「トーナメント戦なので守備ができないと勝つ確率が減る。ディフェンスのところが大事だと思います」と語るように、守備を重視する常磐が初戦に続いて無失点で8強入りを決めた。

 藤岡工は県新人戦初戦で敗れた太田東高にリベンジして3回戦進出。ベンチからの前向きなコーチングにMF塚越亮(3年)、GK斉藤唯人(3年)、CB坂井愁哉(3年)、右SB布施拓夢(3年)の3年生4人や各選手たちが呼応。ゴール前で最後まで身体を投げ出すなど格上の常磐相手によく食らいつき、前線で印象的なプレーを続けたFW榊田侑生(2年)のキープ力やスピードを活用して対抗した。

 入りは藤岡工も良かったが、常磐が1チャンスをモノにする。前半9分、CB布施光大(3年)のロングフィードに反応した186cmFWアシファ(3年)が、GKの動きをよく見て右足ループシュートをゴールに沈める。

 その後も常磐は俊足FWアシファやFW浦山公介(3年)、FW荒井佑斗(2年)が相手のハイラインの背後を狙い続け、また左SB蓮見悠平(3年)のロングスローが藤岡工にプレッシャーをかける。そして、荒井がワンツーからシュートへ持ち込み、浦山のドリブル突破からアシファが決定的なヘッドを打ち込んだ。

 迎えた32分、「(常磐は)セットプレーのところも結構強みがあると思う。(今後の戦いは)セットプレーが大事になってくると思う。1点勝負になると思うので、そういうところで貢献したいと思います」というMF近藤太洋主将(3年)の左CKを大外の右SB南雲颯(3年)が頭で合わせて2-0。さらに33分には、スペースを埋める動きや球際の攻防での強さ、正確な右足キックで貢献していた近藤が右サイド後方から前線へパスを通す。これを浦山が左足ループシュートで決めて3-0とした。

 後半から2トップを入れ替えた常磐に対し、藤岡工は7分に右サイドで前を向いた榊田がスルーパス。だが、常磐は野間監督が「守備の中心」と信頼を置くGK野田海斗(3年)が対応する。藤岡工は前線での奮闘光る榊田にボールを集めて起点を作ろうとしていたが、常磐は新人戦で前橋育英撃破の立て役者となっている野田や布施らが隙を見せない。

 MF一柳龍星(2年)やDF陣が守りを我慢強く守る藤岡工は、攻撃面でも右サイドからのラストパスでMF新井快斗(2年)が抜け出し、ハードワークを続ける塚越が榊田へのスルーパスを狙う。そして塚越がインターセプトからそのままシュートへ持ち込むシーンもあった。

 藤岡工も気持ちの込もった戦いを継続した。だが、ボールをゆっくりと動かし、セットプレーを交えて追加点を狙う常磐は、35分に右サイドからの折り返しを荒井が1タッチで決めて4点目。その後もMF小林和人(2年)やFW海老沼光(3年)らがゴールを狙い続けて5点目を奪った。

 準々決勝の対戦相手は前橋育英を破った桐生一に決定。一度勝利している前橋育英とは異なる強豪校との一戦となったが、自分たちらしく戦うだけだ。野間監督は「(次の試合は)気持ちで上回りたい」と語り、近藤も「『気持ちとまとまりの常磐』なので、そこを全面に出して行けたら良いなと思います。来週の戦いへ向けてまず良い準備をすること。最終的に自分たちは全国に行きたいので、良い準備をして戦っていきたいと思います」と誓った。「気持ちとまとまり」、そして堅守で強豪に挑み、再び“波乱”を起こす。

(取材・文 吉田太郎)
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