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[関東Rookie League]圧巻の前半7発!プリンス関東メンバーも出場の帝京がBリーグ首位攻防戦で9-1大勝!

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帝京高FW齊藤慈斗はハットトリックの活躍

[11.18 関東Rookie League Bリーグ第5節 鹿島学園高 1-9 帝京高 鹿島学園高G]

 18日、2020 関東Rookie League Bリーグ第5節の鹿島学園高(茨城)対帝京高(東京)戦が行われ、帝京が9-1で大勝した。帝京は暫定首位をキープ。Bリーグ優勝と全国ルーキーリーグ交流大会プレーオフ進出へ大きく前進した。

 4勝1敗の暫定首位・帝京と開幕4連勝中で消化試合の1試合少ない暫定2位・鹿島学園との直接対決。帝京は得失点4差でリードしているものの、優勝するためには全勝の鹿島学園に黒星をつける必要性があった。

 今年、帝京はプリンスリーグ関東で左SB入江羚介やCB藤本優翔、MF松本琉雅、FW齊藤慈斗ら1年生を次々と先発起用しているが、この日は怪我人を除く1年生のフルメンバー。松澤朋幸コーチが「チャレンジャーで行けたのが大きい。勝たなければダメという状況が後押ししてくれた」と振り返ったように、「勝つしかない」帝京が経験値も武器に鹿島学園を飲み込んだ。

 鹿島学園は15日にトップチームが全国高校選手権出場権獲得。193cmGK木村和輝、MF大西英翔、FW玉川颯太の3人が選手権予選メンバー登録されていたものの、1年生チームは前日に練習を再開したばかりで相手の迫力ある攻守を跳ね返すことができなかった。先に決定機を作ったものの、これをシュートブロックされると、その後連続失点。声を失い、修正することができなかった。

 帝京は前半6分、ゴール前のこぼれ球を松本が左足でゴール。10分にはCB田畑勲の左CKをニアの入江が頭で合わせて2-0とする。さらに14分、MF押川優希のループパスから齊藤がゴール。18分にも最終ラインから飛び出した右SB島貫琢土の絶妙なコントロール、折り返しからFW山下凜がPKを獲得する。これを山下が自ら決めて4-0とした。

 鹿島学園は玉川のポストプレーやMF林結人の強気の仕掛けなどで反撃するが、帝京は押川や島貫、MF藤崎巧士らも含めて集中力の高い守備を続け、自陣ゴールに近づけない。そして、素早いパスワークやショートカウンター。この日はチャンスを確実にモノにした。

 25分、「自分のストロングポイントはハードワークで、走るところやサイドでチャンスを作るところ。中盤が持った時にサイドの上がりで自分がチャンスを作れるようにオーバーラップとか意識していました」という島貫が右サイドから最前線へ抜け出し、MF田中遥稀のミドルパスを見事に足先でコントロール。GKとの1対1から右足ループシュートで決める。32分にも藤本のフィードから齊藤がこの日2点目。36分には敵陣で奪い返し、最後は齊藤のパスから田中が決め、前半だけで7点を奪い取って見せた。

 齊藤は「もうチャレンジャー精神と言うか、勝つしかなかったので、みんなでどんどん前から行って、どんどん点も取って交代選手とかのためにも色々な選手が出れるようにしてやりました」と振り返る。その姿勢が迫力のある攻守、大量リードをもたらした。

 今後の試合で得失点差を挽回すれば優勝の可能性がある鹿島学園は、2点でも3点でも返して試合を終えたいところ。だが、後半も帝京は鋭い守備からゴールを奪い取る。2分に齊藤のアシストから山下が決めると、8分には「自分は本当に点獲ることしかできないので、(今日は)ゴールしかイメージなかったです。(相手の)プレッシングもプリンスとかと全然違っていて、余裕を持ってできたかなと思います」という齊藤が3点目。この後はメンバーを大きく入れ替えた。

 鹿島学園は10分、林の折り返しを玉川が決めて意地の1点。後半は相手を見てボールを動かす時間を増やしたが、帝京の186cmGK桑野瑠汐に阻まれるなど2点目を奪うことはできなかった。田中慎弥コーチは試合後、選手たちに「(トップチームは県決勝など)苦しいゲームの中でも耐えて優勝した。上級生の力は大したもの。自分たちはもっと身につけて行こう」と説いたという。悔しい敗戦を機に課題を改善していく。

 一方の帝京は快勝でBリーグ優勝に大きく前進した。鹿島学園との得失点差は20。20日の韮崎高戦に勝てば、プレーオフ進出は濃厚という状況だ。プレーオフでは全国出場を懸けて上位リーグのAリーグ2位と激突。島貫は「(ルーキーリーグの全国制覇は)最初入った段階でみんなが目標にしている。(自分も) 最初から全国大会を目標にしてきたので、プレーオフにもしも出れたら相手も強いので自分のハードワークなどを出したい。みんなで守備のところの意識も持ってやっていきたいです」と意気込んだ。この日のチャレンジャー精神を引き続き持ち続けて力を発揮し、まずは“全国切符”を掴み取る。

(取材・文 吉田太郎)
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