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[MOM3315]静岡学園FW寺裏剣(1年)_U-15フットサル日本一。次世代ドリブラーが優勝決定弾!

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後半27分、静岡学園高FW寺裏剣が決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.22関東Rookie League第9節 帝京三高 1-2 静岡学園高 フジスパーク]

「自分は中学とか小学校からドリブルばっかやってきたので、あまりシュートとか得意じゃないんですよ(笑)。遠目から打っても相手はギュッと閉じられているから、シュート打つフリして“裏でナメて”、自分のドリブルらしさでこじ開けてやろうとかなと」

 後半14分に追いついた静岡学園高はさらにドリブル、グループでの崩しで決定機を作り出す。だが、ゴール前で人数をかけ、諦めずに身体を寄せる帝京三高の前にシュート精度をわずかに狂わされていた。

 それでも、27分、FW寺裏剣(1年)が個人技で帝京三の守りに穴を開ける。右中間から足裏で“ナメる”ドリブル。PAへ侵入すると切り返しで変化を加え、ブロックするDFを外して左足を振り抜く。一度相手に阻まれたものの、こぼれ球を再び左足シュート。これをゴールへねじ込んだ。「1回打ってブロックされて、あとは気合で。嬉しかったですね」。この日はテクニカルなドリブルや、足裏でのラストパスなど“面白い”プレーで勝利に貢献した。

 寺裏は今年1月、SHIZUNAN FC(静岡)の一員として出場したJFA 第25回全日本U-15フットサル選手権大会準決勝で3得点、決勝でも2得点を挙げて日本一。「面白いし、勝てるサッカーをしたかった」という理由で静岡学園へ進学した。

 SHIZUNAN FCはドリブル中心のサッカーチームだが、静岡県3部リーグ所属。自分が一番だった中学時代と異なり、静岡学園の1年生はともにU-16日本代表のCB行德瑛とMF高橋隆大ら技巧派のタレントたちがズラリと並ぶ。静岡学園中出身の選手たちは昨夏の全国中学校大会3位メンバー。またG大阪ジュニアユースの10番を背負って高円宮杯日本一に輝いている高橋は特に意識している存在だ。

「これまでは自分が一番上だった。代表もいるし、スタメンの子もみんな上手いのでコツコツやったらいつか隆大を越せる、隆大よりも努力したら隆大よりも上に行けるんじゃないか」。チーム内の“エリート”たちに対し、自分を“雑草”と捉える寺裏。特別なスピードもフィジカルもないが、技術と相手の逆を取る上手さによって静学で一番の選手、上のステージで戦える選手を目指している。

 FWとしての動き方も徐々に向上。そして、大一番で優勝ゴールを決めた寺裏は全国ルーキーリーグ交流大会(12月)での活躍と日本一を誓う。「アシストやゴールでチームを勝たせるのがFWの使命だと思う。自分のプレーも活かしながら、ゴールに繋がるプレーをしていきたい」。この日、大一番で魅せて、決めたFWが全国でも自分らしくドリブルでゴールに絡み、再びチームを勝たせる。

(取材・文 吉田太郎)
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