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矢板中央戦で3発決め、桐光と前育戦で決勝弾。静岡学園の超攻撃的左SB栗原耕平が関東Rookie LeagueMVP!

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「2020 関東Rookie League」AリーグのMVPは、優勝した静岡学園高の攻撃的左SB栗原耕平が獲得

「2020 関東Rookie League」AリーグのMVPは、優勝した静岡学園高の超攻撃的左SB栗原耕平が獲得した。DFながらもチームトップの5得点。矢板中央高戦でハットトリックを達成し、左足ミドルを叩き込んだ桐光学園高戦と前橋育英高戦のゴールは決勝点だった。

 齊藤興龍コーチは「アイツのゴールで獲ったゲームが多々あったので。ここ欲しいなというところで結果を出してくれた。ストロングのところは凄く強いから。あれは凄く魅力ですよね。なかなかいない」と評価する。179cmの長身と厚みのある身体、50m走6秒ジャストの俊足。そして、中学時代にEC.JOGADOR(埼玉)で徹底的に磨き上げてきたドリブルを駆使して左サイドで抜群の攻撃力を発揮した。

 リーグ優勝をかけた22日の帝京三高戦では静岡学園がやや攻めあぐねていた前半半ばにグイグイと前へ。停滞感を吹き飛ばし、チームに流れを引き寄せた。逆転勝ちし、優勝。その直後から「MVPは耕平じゃね?」という声がチーム内から上がっていたが、その予想通り、栗原が個人タイトルを獲得した。

 栗原は「(リーグの)スタートはあまり良くなかったので自分がなれるとか、優勝するとか考えていなくて、できることを精一杯やろうと思っていたので、(MVPを)獲ることができて嬉しいです。SBがあまり点を獲ることが少ない中で得点に絡むことができたのが良かったと思います。思った以上に通用する点が多くて、特にドリブルとスピードの部分は通用したのでそれが(MVPの)要因かなと」と微笑んだ。

「内側に足を引きずるようにドリブルすると最高速度が出る」というドリブルで内側の方向へボールを運び、シュートを狙う。ドリブルコースを切られれば一気に外側へ持ち出してクロスへ持ち込んだ。チームの状況が悪くても打開できる選手は貴重という考え。それを目指し、Rookie Leagueで表現してきた。

 元々はトップ下で、左SBは県選抜でプレーしていたポジション。まだ経験は浅く、齊藤コーチはビルドアップやポジショニングの部分などを指摘する。現在は強引にでも仕掛けて穴を開ける一方、失敗することも。だが、本人は複数のポジションでプレーすること、課題を改善することに前向きだ。

「攻守の切り替えの遅さやオーバーラップの回数とか試合全体の運動量はもっと増やせると思いますし、パス精度だったり、まだ未熟な部分があると思うので、それができればもっと良くなる」と力を込める。

 同じ静岡学園の1年生には、CB行德瑛、MF高橋隆大という2人のU-16日本代表選手がいる。そのことも刺激に。「身近にいたりとか、同じ寮にいたりとかする中でなかなか凄いなという点がありますし、追いつきたいという気持ちはあります」。浦和ジュニアからジュニアユースに昇格できなかった悔しさもエネルギーに、トップレベルのプレーヤーになることを目指している。

「将来は最前線で戦えるように、技術を磨きたいと思います。SBって守備が基本なんですけれども、相手にドリブルなど攻撃で脅威を与えたり、対人でも強さを出したい。リーダーとして引っ張っていけるような、気持ちの強い選手になりたいです」。静岡学園のAチームで来年、再来年に結果を残すことが目標。その前に、「2020 関東Rookie League」MVPプレーヤーはルーキーリーグ全国大会(12月)で大暴れするか。欲を出しすぎることなく、チームの中で自分の強みを発揮して日本一に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
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