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ブラインドサッカー日本代表・高田監督が今年の活動総括、パラリンピックは「無観客でもやりたい」

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ブラインドサッカー男子日本代表・高田敏志監督が今年の活動を総括

 日本ブラインドサッカー協会(JBFA)は21日、男子日本代表の高田敏志監督のオンライン活動会見を実施。今年度最後の合宿を終え、その活動を総括した。

 今年6月にオープンした「MARUI ブラサカ!パーク」により、日本代表はより濃密な練習ができるようになった。高田監督もそのメリットを強調しており、「グラウンドがあるってこれほどいいってことはない」と語る。場所が確保されたことにより安定的に、また週2、3日と決まった日、決まった時間に練習を行うことで「ピリオダイゼーション、期分けをちゃんとやって、負荷をかけながらやっていくことができるようになった」と手応えを口にした。

 現在は週2、3日の練習に、月1回の合宿を行い、東京パラリンピックに備えている。今後の課題は「サブメンバーのレベルアップ」。「主力の4名のレベルはすごく高いんですけど、サブメンバーも努力して成長しています」と、誰が出ても主力となれるようなチーム作りを進めている。そのためには、ブラインドサッカーだけの世界を見ていては高みを目指せないとも語る高田監督。「11人制のサッカーだったり、フットサルだったり、ほかの競技から学んで、関心を持ちながら、強化に携わるっていうことを常識にしたい」と他競技からの吸収も怠っていない。本番への調整スケジュールに関しては2018年のロシアW杯での日本代表や19年のラグビーW杯日本代表などの成功例に注目。監督自らそれぞれの関係者に連絡を取り、生の声を聞き取っているという。

 夏以降の取り組みは実際に結果にも出ている。選手の心拍数などを数値で表すことでコンディショニングを“見える化”。土日の合宿後は負荷を抑えて頭を使ったトレーニング、後日の練習でスプリントを入れたトレーニングなど毎週継続を重ねた。10月の合宿で体力測定をした結果、ほとんどの選手が過去最高の数値を叩き出した。

 ラスト9か月に向け、高田監督は逆算しながら来年も調整を行っていく。来年、コロナ禍で簡素化されたオリンピック・パラリンピックになるといわれる現状。指揮官は「個人的には無観客でも試合はやりたいと思っています」と力強く答えている。

「いまヨーロッパの主要リーグ、チャンピオンズリーグも無観客で試合をやっていますが、プレーのクオリティは高いですよね。観客がいない中でもモチベーションどうなのかって最初は思っていましたけど、いまは本当にレベルの高い試合がたくさん見られる。コロナ禍であるからこそ、サッカーの素晴らしさを伝えてくれていると思っています。なので、映像配信でもサッカーの価値と感動を与えていると思っていますので、ブラインドサッカーでも、世界の仲間たちと一緒に最高のプレーを東京で披露して、夢と感動と希望を与えることができるんじゃないか。出場8か国で全力で戦う姿、本当に素晴らしい選手たちがたくさんいますので、その人たちと一緒に、プレーをする姿を披露したいと思っています」

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