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まさにエースの仕事…鳥栖U-18田中禅、準決に続いて劇的V弾! 大学進学後「鳥栖に戻ってこられるように」

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サガン鳥栖U-18のFW田中禅(3年)

[12.30 日本クラブユース選手権U-18大会決勝 FC東京U-18 2-3 鳥栖U-18 敷島公園サッカー・ラグビー場]

 やはり、大舞台には強かった。サガン鳥栖U-18のFW田中禅(3年)は2-2で迎えた後半45分、右サイドからのクロスを胸トラップで華麗に収めると、GKのポジションを冷静に見極めた左足ボレーシュート。準決勝に続いて土壇場で決勝点を沈め、クラブに初の高校年代タイトルをもたらした。

 プルアウェイの動きでファーサイドに逃げ、FW石原央羅からの低いクロスを収め、流れるようなモーションで左足ボレーシュートを放つ。一連の動作はしなやかだった。

「左足のシュートに不得意というイメージはない。良い所に(ボールを)置けて、GKがニアにいてファーが空いているというのは分かっていたので、思い切り『入れ!』という気持ちで打ちました」。

 シュートも完璧なら、時間帯も完璧。鳥栖U-18はこの日、序盤の失点を逆転してからは優勢を保ちながらも同点とされており、これが相手の希望を打ち砕くゴールとなった。

「2-1になったときでも(そのまま)簡単にいかないというのは、これまでの経験で分かっていたので、追いつかれても『ここからが自分たちの正念場、舞台は整った』と声をかけ合っていた。追いつかれて苦しいというよりは、楽しめていた状態だったんじゃないかなと思います」。

 田中は前日に行われた準決勝の鹿島ユース戦でも、90+3分に決勝ゴールを記録。それでも自らのキャラクターについては「接戦のゲームで得点を取って勝たせることがあまり多くなかったので、正直、自分はあまり“持っていない男”だと思っている」と謙遜気味に述べていた。

 しかし、鳥栖U-15時代に出場した3年前の高円宮杯U-15選手権でも準決勝・決勝と連続ゴールを記録しており、大事なところで試合を決めるというエースストライカーの素質を「持ってる」ことは明らか。「なぜか大舞台になったら活躍できる」と頬を緩めた田中は「でもやっぱりそれじゃダメ。これからは、いつどんな試合でも活躍できるように頑張っていきたい」と意気込んだ。

 そんな来季以降の活躍の場は関東大学リーグを2連覇中で、毎年Jリーガーを多数輩出している明治大。「大学でまた活躍することが大事なのかなと思っている」と決意を述べた田中は「強いチームなので、4年後と言わずに、3年生や2年生のときから特別指定で鳥栖に戻ってこられるように頑張りたい」とプロ入りの野望を語った。

(取材・文 竹内達也)
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