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“法政対策”で健闘も「力の差感じた」桃山学院大、3年生MF安藤は来季「関東の壁」打破へ

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MF安藤駿(3年=青森山田高)

[1.8 #atarimaeniCUP2回戦 法政大 2-1 桃山学院大]

 綿密な法政大対策が功を奏し、終盤まで接戦を繰り広げた桃山学院大だったが、最後は相手のセットプレーに屈した。松本直哉監督は「最後はやっぱり力の差を感じた」と悔しそうに振り返った。

 前半は桃山学院大のペースといっても過言ではない展開だった。

 センターバックとボランチの3枚で組み立ててくる相手のビルドアップに対し、ボランチを縦関係にして2トップとともに対応。アグレッシブなプレスでボール奪取の機会をうかがうと、攻撃では右サイドバックのDF奥田勇斗(1年=G大阪ユース)が中央に絞ってサポートしたり、前線のFW山口海都(3年=立正大淞南高)とFW小松海樹(2年=履正社高)が裏に抜けつつ左サイドハーフのMF若山修平(4年=静岡学園高)がバイタルエリアに顔を出したりと、さまざまな工夫が見られた。

「この大会の初戦もスカウティングしたし、法政が12月の9連戦を戦っていたのもほとんど押さえていた」。そう振り返る松本監督のもと、選手たちは4-4-2のスタートポジションから狙いを持ったポジション移動を繰り返し、法政大の攻撃を高い位置で阻むことに成功。相手のシュートを2本に抑えた。

「スカウティングをしていたことが前半はうまくハマった。プレッシャーのかけ方も想定どおりにしっかりできていた」(松本監督)。

 絶えまないハードワークでトップ下とボランチの位置を上下動し、この戦術のキーマンを担っていたMF安藤駿(3年=青森山田高)も「うちらしくアグレッシブに前からプレスをかけて、取られてもすぐ取り返してという良い形だった。前半はうまくハマっていた」と前向きに振り返る。

 ところが中1日という連戦の影響もあって後半はやや出足が遅くなり、相手がプロ内定の交代選手を次々に投入してきたこともあって、徐々に押される時間帯が長くなった。

 そして法政大は後半、シュート数13本を記録。指揮官が「アイツが2〜3点止めてくれて、ディフェンスが集中切らさずにできた」と称えたGK松山健太(4年=九州国際大高/岩手内定)の活躍でなんとか失点を防いでいたものの、最後は相手の多彩なセットプレー攻撃で痛い失点を喫してしまった。

 桃山学院大は過去、11年度準々決勝の慶應義塾大戦(●0-1)、15年度2回戦の国士舘大戦(●2-3)、18年度2回戦の駒澤大戦(●1-4)と関東勢にことごとく敗れてきており、またしても「関東の壁」(安藤)に阻まれる形となった。

 それでも激戦の関西学生リーグをくぐり抜け、なんとか掴んだ全国の舞台。2年ぶりにつかんだ初戦白星の財産も含め、この経験を今後に活かしていくしかない。初めてレギュラーでシーズンを終えて「プレッシャーに慣れた」と手応えを語った安藤は、最終学年に向けて「全国に出ることはベースにして、関東のチームを倒すことが目標」と意気込みを語った。

(取材・文 竹内達也)
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