beacon

[MOM703]順天堂大GK佐藤久弥(4年)_連続PKストップ支えた“ルーティーン”変更「思い切ってやった」

このエントリーをはてなブックマークに追加

順天堂大GK佐藤久弥(4年=東京Vユース)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.9 #atarimaeniCUP2回戦 順天堂大 2-2(PK4-2) 四国学院大]

 2人目、3人目のペナルティキックを立て続けに阻み、順天堂大を全国8強に導いた。「PKになったら自信があるので、その自信どおりにできた」。GK佐藤久弥(4年=東京Vユース)が見せたビッグセーブの陰には、指揮官からの“巧み”な助言があったという。

 後半アディショナルタイムの同点ゴールでなんとか追いつき、2度のビハインドを跳ね除けてPK戦に持ち込んだ2回戦の順天堂大。最後に主役となったのは来季の東京ヴェルディ加入が内定している守護神だった。

 両チームとも1人目のキッカーが成功させ、迎えた先攻の相手2人目。左足から放たれたキックに対し、鋭い横っ飛びでアプローチし弾き出した。これで一歩リード。さらに味方2人目が成功させると、2人目と同じコースに飛んできた相手3人目のキックも完璧な読みで阻み、準々決勝進出を決定づけた。

 実は試合前日のPK練習の際、堀池巧監督からとあるアドバイスを受けていたという。

 それはPK戦の構えについて——。佐藤はこれまでPKに対峙する際、両腕を上に挙げて構え、ゴールを縦方向にカバーする“ルーティーン”を取っていた。しかし、堀池監督からは「最後は下ろしたたほうがいいんじゃないか」と伝えられた。低いボールに対し、反応速度を上げるための助言だった。

 メンタルがとりわけ重要視されるGKにおいて、プレー習慣を変えるには勇気がいる。しかし、佐藤はこれを素直に聞き入れた。「その方法でも止められる自信はあったけど、より止められるようになると言ってもらえたので、思い切ってやりました」。その結果の連続ストップ。「練習の時からいい感じになっていたので実践できてよかった」と手応えを語った。

 もっとも、佐藤はこの日のパフォーマンス全体には満足していないという。

「2失点しているし、ディフェンスの動かし方も未熟なところがある」と自らに矢印を向けつつ、「立ち上がりで集中し切れていないところがチームの課題」と指摘し、11日に行われる準々決勝の桐蔭横浜大戦を見据えていた。

「桐蔭横浜大さんも力があるので、今日みたいにスキをつくったら一気に押し込まれると思う」と警戒を寄せる佐藤は「もう一回、チームとして引き締めて臨みたい」と意気込み。来季、東京Vで「まずは第一目標として試合に出場する」というミッションを掲げる守護神は、自身のアピールのためにも勝利を目指す。

(取材・文 竹内達也)
●#atarimaeniCUP特集ページ

TOP