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[MOM709]東海大FW砂金大輝(4年)_前線プレス&ハイクロスで全3ゴール演出! 最後の大会は亡き友のために

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東海大FW砂金大輝(4年=暁星国際高)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.11 #atarimaeniCUP準々決勝 東海大 3-2 日本大]

 東海大を20年ぶりの全国ベスト4に導いた3得点は、いずれも背番号8の献身性から生まれた。「自分の一番の特長は前からのプレスだと思っている」。チームスタイルを体現する活躍を見せたFW砂金大輝(4年=暁星国際高)は亡き友の思いも背負い、大学生活最後の全国大会を懸命に戦っている。

 2回戦で明治大を破って迎えた準々決勝、東海大は前半24分に試合を動かした。起点となったのは3-4-2-1の左シャドーで先発した砂金。相手センターバックへのプレッシングでボールを奪い、高い位置からカウンターをスタートさせると、MF丸山智弘(4年=作陽高)のクロスからMF藤井一志(1年=東海大高輪台高)のダイビングヘッドで先制点を奪った。

 さらに砂金は前半30分、またしても左サイドの高い位置でボールを奪い、これを起点にFW杉山祐輝(2年=東邦高)の追加点が生まれた。「球際のところで強く行くというところと、出し手にパスが出る前に予測して、どれだけ距離を縮められるかを意識している」。そんな積み重ねが見事に結実し、試合を優位に進める2ゴールを演出した。

 そして1点を返されて迎えた後半13分には、見事なハイクロスでFW山田泰雅(3年=厚木北高)のヘディングシュートを導いた。「山田選手は身体能力も高く、信頼できる後輩だったので、アバウトなボールを入れても競り勝てると信じていた」。投入されたばかりの長身FWが決めた3点目は、その後さらに1点を返された東海大にとって、きわめて大きな価値をもたらした。

 砂金は千葉県の暁星国際高出身。進路に迷っていた際に高校のコーチから勧められたという東海大で、「高校とは違うスタイルだけど、置かれた場所でどれだけ自分が成長できるか。そこになじむ努力や適応力を意識してきた」と努力を重ねてきた。その結果、守備の強度も身につけ、全国4強の立役者となった。

 また、最終学年に続けてきた努力の裏には、自粛期間に共に体を動かしていた亡き友への思いもあったという。試合後の取材で「最後にいいですか」と切り出した砂金は次のように続けた。

「昨年9月に中学のチームメートだった友人が事故で亡くなってしまって、その人のために残りの学生生活はサッカーをしたいと思っていた。彼もサッカーが大好きで、天国から見守ってくれていると思うので、その人のためにこの大会に臨んで頑張ってきました。その人のためにもここまで来られて、うれしく思います」。

 4年間を過ごした大学のため、共に戦うチームメートのため、そしてこの世を去った友のため——。「今年の東海はみんなの力があってできている。自分だけのことではなく、チームのことを考えてサッカーをしていきたいと思っている」という姿勢をプレーでも表現するアタッカーが、さまざまな思いを胸に全国準決勝の大舞台に挑む権利を得た。

(取材・文 竹内達也)
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