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[MOM710]法政大DF関口正大(4年)_タフネスSBが点を取れる選手に

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得点を喜ぶDF関口正大

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.21 #atarimaeniCUP準決勝 早稲田大0-2法政大 味フィ西]

 内定するヴァンフォーレ甲府の特別指定選手としてJ2リーグ戦2試合の出場経験を持つ主将が、2得点を決めて決勝へと導いた。ボールを支配してゲームを進めた法政大(関東7)は、前半からチャンスを量産。しかし前半19分のFW佐藤大樹(3年=札幌U-18)のシュートがクロスバーを叩くなど、前半をスコアレスで折り返してしまう。

 ただ均衡を破る得点は後半に入ってすぐに生まれた。6分、右サイドからエリア内に入ったDF関口正大(4年=新潟明訓高/甲府内定)が佐藤に当ててリターンを受ける。ハーフタイムに確認したという流れるような連携プレーから関口が左足でゴールを射貫き、待望の先制点が生まれる。

 続く得点も関口。後半34分、ドリブルで持ち込んだMF長谷川元希(4年=大宮ユース/甲府内定)が右サイドのスペースに出したボールに走り込むと、豪快に右足を振り抜く。「ファーに流れてくるかなと思っていた。シュートもいいコースに行ってくれた」と振り返る会心のゴールが勝利を確実にした。

 13年にU-15日本代表候補に選ばれた経験を持つ実力者だが、大学入学後は自信を無くすほどのレベルの高さがあったという。しかしそこで自覚したのは、自分は「走らなくなったら使い物にならない選手」だということ。「運動量で勝負しよう」と心に決め、努力を続けてきた。

 長山一也監督も関口の長所について「タフさ」だと強調する。「自己管理も徹底している選手で、日ごろからトレーニングに真摯に取り組んできていた」。さらに得点へのこだわりを持つことを要求してきたといい、「意識だけじゃなく結果を出せるようになった」と成長に目を細めた。

 同期にFW上田綺世(現鹿島)がいた世代。現4年生が入学した17年度の総理大臣杯で35年ぶりの優勝。翌18年度にはインカレで42年ぶりに日本一のタイトルを獲得し、古豪復活をアピールした。ただ上田が大学3年生の夏に鹿島での活動に専念すると、同年の総理大臣杯では決勝で明治大に敗れて準優勝。続く連覇を目指したインカレでは8強で涙を飲んだ。

 “上田の退部”。昨年夏以降、法大を語る上で常に付きまとったテーマだった。「綺世がいたときは彼に頼っていた部分はあったけど、彼がいなくなって負けていられない気持ちもあった。その形として日本一を獲ることは大きいと思います」。入学してからすべての年度で全国大会の決勝に進出した歴代でも屈指の世代が、日本一で有終の美を飾る。

(取材・文 児玉幸洋)
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