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[MOM712]東海大DF水越陽也(3年)_史上初のジャイキリV決定弾は今季初ゴール「勝ちたいという欲が出た」

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優勝トロフィーを手にするDF水越陽也(3年=東海大相模高)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.23 #atarimaeniCUP決勝 法政大0-1東海大 味フィ西]

 DF水越陽也(3年=東海大相模高)の今季初ゴールは、東海大に20年ぶりの大学日本一をもたらす一撃となった。「今季の公式戦で取れていなかったので、決めたいという気持ちは心のどこかにあったけど、まずはチームの勝利のために自分が何をできるかを考えてきた結果、決勝という大舞台で勝ちにつながるゴールを取れた」。守備でも鬼気迫る奮闘を見せた背番号5は、控えめに喜びを語った。

 0-0で迎えた後半27分、東海大の先制点は武器であるセットプレーから生まれた。MF丸山智弘(4年=作陽高)のCKが右サイドに流れ、ドリブルで仕掛けたFW高田悠(2年=東海大福岡高)が鋭い切り返しから中央に送り込むと、ニアでFW山田泰雅(3年=厚木北高)が反応。このシュートは相手GKに阻まれたが、いち早く詰めていた水越がワンタッチで押し込んだ。

「点を取った瞬間はこぼれてきて、何も考えずにボールに対して反応したので、なんとか入ってくれという感じだった」。無我夢中に押し込んだ殊勲弾。それでも試合後、試合映像でゴールシーンを振り返ったという水越は「自分が一番早くボールに向かって動けていたので、勝ちたいという欲が出たんだと思う」と自らを駆り立てた執念を誇った。

 また、本職の守備での貢献度もひときわ高かった。チームはこの日、準決勝に続いて1-0の完封勝利を収めたが、前半はプロ内定者がずらりと並ぶ法政大を相手に一方的な守勢を強いられるなど、我慢の展開が長く続いた。それでも、水越ら最終ラインの面々がゴール前で鬼気迫るシュートブロックやカバーリングを見せ、最後までリードを許さなかった。

「守備は監督からも常に高いレベルを求められているし、チーム内でもプレスやカバーリングができていない選手に全員が反応して、声かけができていることが意識の高さにつながっている。一人ひとりのチームを勝たせたい気持ちが最後に足を出す、身体を投げ出すというところにつながっている」(水越)。

 そうした積み重ねはチームに自信を生み、上位カテゴリ相手に対する気負いを消し去った。「県リーグだからといって負けていいかというと、そういうわけではない」とチームに通底するメンタリティーを強調した水越は「うまいとか強いという気持ちを抱くことはあったけど、試合になったら自分たちのサッカーをするだけだと思っていた」と、県リーグ勢初の日本一という偉業を冷静に振り返った。

 もっとも3年生の水越にとって、この日本一は通過点に過ぎない。来季は再び関東2部リーグに復帰し、“王者”の肩書を背負った厳しいシーズンが始まるからだ。集大成の1年に向けて「日本一のチームになれたので、どの大学も意識してくると思う。ただ、自分たちのサッカーを貫き通して、まずは残留、その次に1部昇格という目標を持って、シーズンを戦い抜きたい」と謙虚に意気込みを述べた。

(取材・文 竹内達也)
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