beacon

「動き出すほうから主体的に」憲剛の助言もズバリ…川崎F U-18田中幹大が即妙ワンツーから先制弾!

このエントリーをはてなブックマークに追加

川崎フロンターレFW田中幹大(2年)

[2.20 NEXT GENERATION MATCH 川崎F U-18 2-1 日本高校選抜 埼玉]

 川崎フロンターレU-18の先制点はダイナミックなワンツーから決まった。日本高校選抜GK熊倉匠(山梨学院高)の股下を抜くシュートを突き刺したFW田中幹大(2年)は「思い切り最後は振り抜いて得点できて良かった」と振り返った。

「自分たちが練習でやっていることを全部出そうと挑んで、回すところや崩すところができた」(田中)。そんな言葉どおり、1〜2年生で臨んだこの日の川崎F U-18は立ち上がりから3年生主体の日本高校選抜を圧倒した。

 最終ラインを起点とするビルドアップではボランチ、サイドハーフ、2トップが次々に連動してポジションを取り、相手のプレッシングをかいくぐってボールを前進。「常日頃からトップチームのサッカーを目指しながら、できるだけ近づけるようにやっている」(田中)というにふさわしい攻撃を繰り広げた。

 前半24分の得点シーンもそうした連係が実を結んだ。ロングフィードで相手を押し込み、右サイドの田中が前を向くと、ニアゾーンに寄ってワンツーを供給したのは反対サイドハーフのMF入江流星(3年)。巧みなポジションチェンジで相手マーカーを振り切り、最後は田中が「相手GKも寄せてきていたので振り抜けばこぼれても誰かが決めてくれる」と意識したというシュートをGKの股下に突き刺した。

 このゴールの裏には昨季限りで現役を引退した中村憲剛氏のアドバイスも活きていたという。中村氏はU-18の練習に何度も視察に訪れ、「憲剛選手からの言葉を聞いた選手はみるみる変化がある」と長橋康弘監督。田中も「動き出しのところでもっとこうしたらとか、出す人の気持ちを考えたり、動き出すほうから主体的にという言葉が印象に残っている。この試合でもそれができた」と感謝を語った。

 またこのゴールは、富士ゼロックススーパーカップを見るために訪れていたトップチームのサポーターに対するあいさつがわりの一撃にもなった。「小さい頃からフロンターレにいて、温かいサポーターに日々サポートしてもらっていて、少しは恩返しができたと思う」(田中)。場内向けのフラッシュインタビューではトップチーム昇格に向けた決意の宣言も披露した。

 もっとも、田中にとってはここからが本当の戦いだ。この日は後半に決定機を逃すなど「決定力をもっと上げないとダメ」と厳しい言葉も。トップチーム昇格に向けて課題を乗り越えるべく「厳しい時に点を取れる選手がいい選手だと思うので、一つ一つのチャンスにサッカー人生をかけるくらいでやっていきたい」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)

TOP