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国見の1年生FW利根が九州新人最終日にインパクト。準決勝で劇的V弾決め、決勝でも驚愕ミドル

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後半27分、国見高FW利根悠理が弾丸ミドルをゴールへ突き刺した

[2.22九州高校(U-17)決勝 国見高 3-0 佐賀東高 島原陸上]

「驚愕」の一撃だった。2-0の後半27分、国見高FW利根悠理(1年=Animo Select FC出身)は相手のミスパスをインターセプトすると、2タッチ目で右足一閃。ミドルレンジから放たれたシュートは、弾丸ライナーでゴール右隅に突き刺さった。

 国見の木藤健太監督は、「たまに練習でも凄いのを出すんですよ。本当にビックリするくらい。(きょうのシュートは)見えなかったですよね」とコメント。元Jリーガーの指揮官も舌を巻くほどの鮮烈なゴールだった。

 その利根は「練習では何度かあったんですけれども、試合でああいったシュートが決まったのは初めてです。練習していたので、それが決勝で出たというのは嬉しかったですね」と微笑。先発出場したこの決勝では、巧みに相手のマークを外し、推進力のあるドリブルで一気にゴールへ迫るシーンもあった。国見進学後に食事の量を増やし、強度の高い練習によって身についたというパワー。その特長を九州決勝で炸裂させた。
 
 利根は神村学園高との準決勝でも大仕事をしてのけた。後半26分に途中出場すると、試合終了1分前の29分に右足で決勝点。「時間が少なかったですし、コースがあったのは分かっていたので打ったら入ったという感じです」という一撃でチームを決勝へ導いている。

 ピッチに入る際にはわずか10cmほどの段差に躓いでバランスを崩し、ベンチの笑いを誘った。「ちょっと考え事をしていました。(段差は)見えなかったです。時間がない中なので自分がシュートを決めて終わらせることができたらと思っていました」と苦笑いしながら振り返る。それでも、周囲の心配をよそに、集中した表情でピッチに入ったFWは、わずか数分でヒーローになった。

 準決勝、決勝で特大のインパクトを残した利根だが、本人は「ゴールと言った点では獲れたと思うんですけれども、チームプレーとか起点になるとかいう点では神村の福田師王君とかに比べたらまだ全然なんで。(その力を身に付け、)シュートという武器を活かしたFWとかサイドハーフになれたらもっと良い選手になれると思う」と満足していない。

 木藤監督も「何でも一生懸命やっているので、相手が良い対応しているのにそれが見れなかったりというのはまだまだ。そこを改善したら面白い選手になるなと思います」。その迫力のある動きや、ターンの巧さなどをまだまだ有効活用できていないのが現状。相手の状況に応じて自分の武器を発揮することが、より活躍するための条件となりそうだ。

 国見から今季札幌入りした先輩FW中島大嘉のように、チームを引っ張る選手になることが目標。「まだ1年だと思わずに、明日から取り組んでいきたい」。貪欲に成長を続けて国見を引っ張り、勝たせる選手になる。

(取材・文 吉田太郎)

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