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[MOM717]関東C・北信越選抜MF山内翔(筑波大1年)_“王様みたいだった”1年生MF、ゲーム支配して強みも発揮

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関東C・北信越選抜MF山内翔(筑波大1年=神戸U-18)は抜群の存在感

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.4 デンチャレ 東海選抜 1-5 関東C・北信越選抜]

 まるでゲームを支配しているかのようなパフォーマンスだった。関東C・北信越選抜は1年生のプレーメーカー、MF山内翔(筑波大1年=神戸U-18)が抜群の存在感。DFラインまで下りてボールを受けながら攻撃を組み立て、空いたスペースへドリブルで運び、ワンツーでDFラインを攻略してシュート。また、ドリブルからのスルーパスを通したほか、安定したパス&コントロールを続けて攻撃の中心となっていた。

 前半14分には左サイドでパスを受けると、DFのマークを外しながら逆サイドへコース・強さともに絶妙なサイドチェンジ。これをMF圓道将良(桐蔭横浜大3年=旭川実高)がダイレクトで折り返すと、中央のFW河村慶人(日本体育大3年=近大附高)が1タッチでゴールへ押し込んだ。

「ボールを持った時は、なるべく遠くを見るようにしているので。なるべく遠く見ていたら近くも見えるし、ボールを持った時は遠くから探すように意識しています」と山内。清水商高(静岡)を計12度の日本一へ導いた名将・大瀧雅良元監督が教え子のMF小野伸二について同じような分析をしていたが、まず遠くを見ることが自然に身についているMFはその強みを発揮する形で先制点を演出した。

 本人は「他の選手が自分のやりたいようにやらせてくれたので良かったんですけれども、個人のところで簡単なミスが多かったので、それを絶対になくしていかなければいけないと強く感じたので、そんなに満足はしていないです」と反省。それでも、安武亨監督(桐蔭横浜大)から守備でのハードワークと攻撃の良さを出すことを求められる中、以前に比べて意識が高まっているチームのために守備する姿勢を見せ、攻撃では違いを生み出していた印象だ。
 
 安武監督も山内について「いい個性が出ていた。“王様みたい”だった。あれだけロストが少ないとチームも落ち着く。本当にいい選手だなと思いました」と絶賛。独特のピンと背筋が伸びた姿勢でゲームコントロールするボランチは、デンチャレ初戦で視察したスカウト陣に大いにアピールした。

 神戸U-18時代にU-17ワールドカップも経験している注目ボランチは、筑波大での1年間を経て明らかに逞しさを増している。「ユースの時は、言葉は悪いですけれども『ガキだった』というか、『自分が楽しければ良いや』とか、いうのがあって、チームのことを考えているようで考えることができていませんでした。大学来て、特に筑波で試合に出させてもらう中で、何とかチームを勝たせるために自分は何をするのか、そのためにチームにどうするか去年一年は結構考えました」。筑波大の小井土正亮監督からはまだまだ甘さを指摘されているようだが、学年関係なくコミュニケーションを取るなど、チームのため、自分のために何をすれば良いのか考え、行動してきた。そのMFは今回の関東C・北信越選抜でも準備期間が短い中で自分の事をチームメートに伝え、また知ることでチームを向上させている。

 今年、大学2年生となる山内は21年中のJリーグデビューという大目標を抱いている。そのために選抜チーム、また「去年とは全く違う強い筑波を見せられるように頑張りたい」という筑波大でハイパフォーマンスを続け、成長し続けること。そして、新たなチャンスを掴み取る。

(取材・文 吉田太郎)
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