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混乱呼んだ「みなし開催」問題、代替日程はどう設定される? Jリーグが説明

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 Jリーグは25日、第3回理事会後にオンラインでメディアブリーフィングを開き、今季設定されている「みなし開催」ルールの詳細を報道陣に説明した。「みなし開催」をめぐっては、選手・スタッフに複数の感染者が出たガンバ大阪の6試合が中止になったのが発端となり、ファン・サポーターの間にも解釈をめぐって混乱が起きていた。

 Jリーグは今季開幕前、なんらかの理由で中止となった試合について、代替日程をシーズン終了までに設定できなくなった際の「みなし開催」ルールを新設。試合中止の理由が「一方のチームの責に帰すべき事由」によるものであった場合、帰責されるチームは0-3の敗戦とするなど、コロナ禍でもシーズンを完了させるための特例措置に踏み切っていた。

<「みなし開催」ルール>
・双方のチームの責めに帰すべき事由によらず、不可抗力による中止(荒天など)→0-0の引き分け
・一方のチームの責に帰すべき事由による中止→帰責性あるチームが0-3で敗戦
・双方のチームの責に帰すべき事由による中止→双方のチームが0-3で敗戦

 ここでいう「チームに帰すべき事由」は主に、Jリーグが試合開催可否基準として設定している「試合エントリー要件を満たす選手が13人未満となる、あるいはGKが一人もいない」場合。新型コロナウイルスの集団感染や濃厚接触者の特定により、試合を開催するのに最少限の選手を確保できなかったことが「有責」とされる。

 もっとも、Jリーグがこれまで行ってきた説明では、上記エントリー基準を含めた試合開催可否に関するものと、みなし開催が適用された際の手続きに言及したのみで、「代替設定日を設定できない状況がどのように起きるか」といった基準には触れられてこなかった。

 その結果、G大阪の試合中止をめぐって混乱が発生。「原則1か月以内に代替日程を設定する」というルールの存在がラジオ放送やJリーグTV(公式Youtube)を通じて関係者から明らかにされる中、G大阪の6試合を1か月以内に開催するのは事実上不可能であるため、早くもみなし開催が適用されるのではないかという懸念がファン・サポーターからも上がっていた。

 そこで、この日のメディアブリーフィングでは「代替開催日設定ルール」についての説明が行われた。

<試合中止の場合の取り扱い>
①試合開催の可否(エントリー基準を満たすかどうか)

②代替開催日の設定可否(※今回、説明されたもの)

③みなし開催(有責チームは0-3の敗戦)

 Jリーグが公表した発表した代替開催日程の設定ルールは以下のとおり。なお、これはシーズン前に決まっていたものであり、混乱を受けて設定されたものではないという。

<代替試合設定の流れ>
・リーグが代替開催の候補日を両クラブに打診

・ホームクラブがスタジアム確保(1週間以内にリーグに回答)

・スタジアム確保できない場合はリーグが指定
※原則、試合中止から1週間以内に設定する。

<代替開催設定の優先順位>
・開催日
①週末開催
②平日開催
③東京五輪期間中の開催
④国際Aマッチウィーク中の開催
※原則的に1か月以内にセット。1か月以内に候補日がない場合、合理的理由がない限りは1か月以降の最短日に設定。

・開催場所
①ホームスタジアム
②ホームタウン内スタジアム
③ホームタウン外スタジアム
④基準を満たさないスタジアムや練習場

・開催形態
①中継
②広告看板掲出
③有観客
④無観客

 なお特定のクラブで中止試合が複数発生した場合、原則的に中止した順に代替日程が設定される。G大阪の場合、第11節延期分の名古屋戦から決まっていく形だ。

 もっとも、G大阪の場合は中止試合が6試合あり、ACL延期の影響で候補日も特定できないため、「代替日程は1週間以内に完了する」「1か月以内にセットする」といった原則を適用することができない。フットボール統括本部の黒田卓志氏は「ACLの日程が大幅に変わったことで、当初予定されていたリーグ戦、ルヴァン杯をどう変更するかを検討している。新しい日程を決めないと代替日程を見出せない。外部要因によって決められない場合はそれを超えての決定をさせていただく」と見通しを語った。

 また、Jリーグはこの日、みなし開催ルール下において、代替日程で試合中止が発生した場合の帰責チームについても説明。「責任は累積する」といい、以下のようになることが分かった。

<同じ試合が複数回中止された場合のパターン>
・当初日程はAチームがエントリーできず試合中止、代替日程ではBチームがエントリーできず試合中止→両チームともに帰責(両チームが0-3敗戦)
・当初日程は荒天で試合中止、代替日程ではAチームがエントリーできず試合中止→Aチームに帰責(Aチームが0-3敗戦)
・当初日程はAチームがエントリーできず試合中止、代替日程では荒天で試合中止→Aチームに帰責(Aチームが0-3敗戦)

 加えて、代替日程は原則、当該リーグの最終節まで設定可能。ただ、「インテグリティ上問題がない試合」(黒田氏)、すなわち優勝、ACL出場、賞金、降格、残留などに影響がないと判断できるものに限り、「最終節以降に代替試合を設定できる」という。

(取材・文 竹内達也)
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