beacon

“J2練習生”出身のC大阪DF新井直人がJ1初先発「やっとスタートライン」

このエントリーをはてなブックマークに追加

セレッソ大阪DF新井直人

[4.6 J1第8節 横浜FM1-0C大阪]

 セレッソ大阪DF新井直人がJ1リーグ初先発を果たした。終盤にセットプレーから喫した失点で勝ち点を落とし、「最後にちょっとしたところの差で失点したのがもったいなかった」と悔しさを見せつつも、「初めて長い時間ピッチでプレーしたが、やれていた部分とまだまだ足りない部分が自分の物差しで明確になる試合になった」と手応えを語った。

 新井は今季、2シーズンを過ごしたJ2のアルビレックス新潟からC大阪に加入。プロ3年目にしてJ1挑戦のチャンスを掴んだ。それでもC大阪では同じサイドバックのDF松田陸、DF丸橋祐介の壁が厚く、すぐには出場機会を得られず。これまで第4節・横浜FC戦(○4-1)の後半アディショナルタイムにピッチに立ったのみだった。

 ところがこの日、C大阪ではチーム内でコロナ禍の感染事例が発生し、濃厚接触の疑いがあるとされたレヴィー・クルピ監督がベンチ入りできなかった上、先発メンバーの顔ぶれも変化。丸橋がベンチ入りを外れたことで、新井が先発に抜擢された。

 対戦相手は横浜FM。対面にはFW仲川輝人とDF松原健が縦に並び、中央に絞ってもFW前田大然やMF天野純といった日本代表経験者ばかりが攻めてくる中、新井にとっては自身の実力を示す絶好の機会となった。

 試合は終始横浜FMがボールを握る中、C大阪はソリッドな守備組織で耐え凌ぎ、カウンター攻撃から先制点を狙っていく展開。「厳しい状況の中でもしっかり勝ち切ろう」という中、ある意味で理想どおりの試合運びができていた。しかし、後半42分にセットプレーから失点。最後は相手の破壊力に屈する形となった。

「守備ではストロングにしているところはある程度通用したし、その中でどう攻撃につなげていくかは次に向けた良い課題になった」。試合後、自身の課題と収穫をそう明かした新井は新潟時代も振り返りつつ、現状の立ち位置を分析した。

「今までは見る側だったけど、こうやって(相手には)代表に入っていた選手がいたし、攻撃陣だけでなくディフェンスラインにもそういう選手がいた中、うまく対応できていたシーンもあった。ディフェンスラインのカバーする部分、1対1で簡単にクロスを上げさせない部分は今まで新潟でやっていた時も意識していたので、J1のピッチに入っても自信を持ってやれた。ただ、やれたからこそ、攻撃の部分、守備で奪って攻撃につなげるところのクオリティーはもっともっと高めていかないと、今日みたいに拮抗した試合でスコアを動かすことはできないと思った」。

 そんな自らの経験は、かつての自分と同じ現状に立ち向かう“誰か”にも届くと信じている。

「新潟に入ったきっかけが練習生からだったので、そういった選手でもこうやってセレッソの一員として、代表選手の多いマリノスと試合をしてプレーしているんだという姿を見てもらえれば、そういった選手に刺激を与えることもできると思う」。

 力強く決意を語った新井は「これでやっとスタートラインに立てたので、自分の成長した姿を新潟のサポーターの方々にも、セレッソのサポーターの方々にも見せていけるように頑張りたい」とさらなる成長を誓った。

(取材・文 竹内達也)
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2021シーズンJリーグ特集ページ
●“初月無料”DAZNならJ1、J2、J3全試合をライブ配信!!

TOP