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憲剛ロールモデルコーチが“デビュー”。U-17代表候補が「止める・蹴る」「一流になる術」学ぶ

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中村憲剛ロールモデルコーチはU-17日本代表候補の選手たちとともにボールを蹴りながら指導

「相手の逆を取ったら面白いね!」「どっちも見れるようにしとけ!」「良い切り替えだ、ナイス!」「そうそう、わざと時間かけても良いな」「相手の様子見て、しっかり」「見るもの増やして!」「ナイスボール!ナイスコントロール!」――。

「ロールモデルコーチ」デビューとなった4月12日のU-17日本代表候補合宿初日。元日本代表MFでJリーグ屈指のバンディエラだった中村憲剛コーチは、精力的に声を発していた。

 この日、練習前のミーティングで選手、スタッフ全員が自己紹介。笑いも取りながら自己紹介したという中村コーチは、選手たちに「止める・蹴る」や相手の様子を見ることの大切さを伝えていた。ポゼッショントレーニングでは一緒にボールを蹴り、その後、選手と近い位置からアドバイス。トレーニングの合間に声をかけたり、森山佳郎監督ら他のコーチングスタッフと言葉をかわすシーンもあった。

 全国高校選手権などで活躍した注目ストライカー、FW福田師王(神村学園高)は、「良い言葉をもらったので、心に刻んでいきたい。中村憲剛さんの言葉全部が刺激になりました」と振り返る。

 特に印象的だったというのが、「止める・蹴る」について。「『上に行くほどファーストタッチが大事』とおっしゃっているので意識しています。(普段は深く)考えていませんでした。ファーストタッチでシュートとか決まると思うので、『止める・蹴る』の練習をしていきたいと思いました」と学んだことを日常から求めていく考えを口にしていた。

 また、すでにJデビューを果たしている16歳、MF橋本陸斗(東京Vユース)は「(中村コーチが)『止める・蹴る』、基礎的なところが上手い選手なのはみんな知っている。『止める・蹴る』とか憲剛さんから学んだり、経験や日本代表の話とか聞きたいなと思っています」と興味津々。森山佳郎監督はJFA公認ライセンスC級も保持している中村コーチの細かな指導を感じ取っていた。

「選手に細かく、的確なコーチングを。サッカーIQが物凄く高い人だからこそ選手一人一人に声をかけるところも、どういう状況に置かれていて、どうすべきか言語化するのも上手い。本当にトップトップで日本を代表する選手だったわけで、その人から受けるアドバイスは選手にとってはこれ以上のものはないというか、選手にとって良いアドバイスになると思います」と分析。すでに選手たちに大きな刺激を与えていること、また中村コーチが日本を代表するような指導者の資質を持っていることを認めていた。

 そして、「ワールドカップとか経験した人たちが地道にコーチの力を積み上げていくことが、日本が次のステージに進出していくのに起爆剤になるのは間違いないので頑張ってほしい」とエール。同時に「(中村ロールモデルコーチは)こういう選手が一流になっているという、自分の思うところが強いみたいで、そういうものも伝えたいなみたいな話をしていた」ことから、U-17世代の選手たちが「一流になる」ために必要なことを吸収することを期待していた。合宿は15日まで。U-17世代のタレントたちは、中村コーチが40歳まで培ってきた経験も糧に大きく成長する。



(取材・文 吉田太郎)

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