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「越されたら嫌」。代表候補復帰したFW南野遥海は一際強い気持ちでゴール、一歩を

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U-17日本代表候補FW南野遥海が左足を振り抜く

 4月12日から15日まで高円宮記念 JFA夢フィールド(千葉県千葉市)で開催中のU-17日本代表候補合宿に、一際強い気持ちを持って臨んでいる選手がいる。それは、FW南野遥海(G大阪ユース)だ。

 U-15日本代表時代から中心選手の一人だったが、昨年後半は連続で選考外に。FW内藤大和(甲府U-18)らに差をつけられる形となった。だが、「その間にライバルが成長したら……負けず嫌いなので越されたら嫌というのがありましたし、成長しようと思っていました。身体づくりもそうですし、今までやってこなかった走り、僕の特長の動き出しというところはやっていました」という南野は巻き返して代表切符をもぎ取った。

 プレミアリーグWESTで開幕から2試合連続ゴールを決めて合宿に参加した南野は、初日から気合十分。前線でのハードワークに加え、鋭い動き出しでゴールに迫った。練習後には森山佳郎監督が「南野とか戻ってきて、『絶対にやってやりますよ』という空気を漂わせているのが面白いところですね」と微笑んでいたほどだ。

「普段よりは良い感じで入れている」という南野は、合宿2日目の13日午前も左足のパワーショットや、身体を投げ出してのボレーシュートなど貪欲な姿勢でゴールへ。未招集期間の鬱憤を晴らすと同時に成長を示すような動きでアピールを続けている。

 今年はG大阪ユースでワイドストライカーにもチャレンジ。「トップチームへ行った時に複数ポジションできたらチャンスが増えるので」という理由での挑戦だが、プレミアリーグでは縦への突破で決定機を演出し、サイドでの献身的な守備を見せるなどプレーの幅を広げている印象だ。

 ストライカーとして常に得点を獲ることが目標。「調子良い時に取れて良くない時に獲れない選手がいるけれど、悪くても獲れる選手になりたい」というこだわりを持つが、顔つきも変わってきた高校2年生はたとえ得点できなくても走り、戦うことでチームに貢献しようとしている。

 トップチームやJAPANでの活躍の先に見据えているのは、常々口にしている海外進出だ。試合展開の速いドイツを戦いの舞台とし、ライプチヒでゴールを量産したFWティモ・ベルナー(現チェルシー)のような活躍をして絶対的王者・バイエルンを倒すというイメージを膨らませている。「僕の夢は一日でも早く海外にすること。上の年代(の日本代表チーム)に入ればチャンスがある」と南野。そのためにも、15日までの合宿でU-17日本代表からの「個人昇格」を本気で目指していく。

 アピールのために必要なのはゴール、そしてチームのための「一歩」だ。「今までの代表合宿であまり点を決めていないので、決めることと、チームのためにを意識して、練習では最後の一歩をさぼらず、チームのために一歩を出すことを意識してやっていきます」。昨年のような悔しさをもう味合う訳にはいかない。思いも込めて一歩を踏み出し、ゴールを破る。
 
(取材・文 吉田太郎)

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