beacon

清水ユースMF金子星太は流経大柏の高速プレス外してキープし、突破。そして決勝弾!

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半24分、清水エスパルスユースMF金子星太が右足で決勝ゴール

[4.18 プレミアリーグEAST第3節 流通経済大柏高 1-2 清水ユース 流通経済大柏高G]

 流通経済大柏高(千葉)の高速プレスに各選手が苦しむ中、「みんなが苦しい時にちょっと自分が外したりすれば余裕が生まれるかなと」という自信があった。清水エスパルスユース(静岡)は、MF金子星太(3年=清水エスパルスジュニアユース出身)が、左サイドでボールを落ち着かせ、PK奪取と決勝点の大仕事。“MVP級”の働きで勝利に貢献した。

 この日、清水ユースの選手たちは顔を上げる間もないほどの寄せの速さに苦しみ、ボールロストが増加。だが、背番号7は、その高速プレスを巧みに外し、味方にパスを繋いで攻撃の中心になっていた。

 テクニカルな選手の多い清水ユースだが、流経大柏のプレッシャーの速さに対応できていたのはMF鈴木奎吾(3年)含めてわずか。岩下潤監督は「彼ら(金子や鈴木)は普段のゲームでもそうやって攻撃の流れを作ったり、収めたりできるので、それはこのプレッシャーの中でもある程度できていた」と認める。

 中でも金子について、「彼は瞬間的な抜け出しを持っていますし、非常に落ち着いていて、決定機を結構決めるんですよ」と説明していたが、その技巧派MFが清水ユースにゴールをもたらした。前半33分、敵陣PA近くでセカンドボールを拾うと、巧みにボールを浮かせる形でDF1人をかわし、そのままPAへ侵入してPK獲得。これがFW千葉寛汰(3年)の先制点に繋がった。

 そして、なかなかチャンスの数を増やせない中で迎えた後半24分、金子が清水ユースに歓喜をもたらした。中盤で前を向いた千葉のスルーパスからダイアゴナルランで抜け出して右足シュート。後方のDFに追いつかれる前に判断速く放った一撃がGKの頭上を破り、決勝点となった。

「(千葉からのラストパスは)常に狙っていて、ああいうチャンスが少ない状況で1本は来るかなと思って狙っていました」という一撃。「後半は相手のペースでそこで1点決められたので良かった」と笑顔を弾けさせていた。

 清水ジュニアユース時代に10番を背負い、ユース昇格1年目に国体日本一を経験している万能型プレーヤー。右SBが主戦場だった昨シーズンは終盤までなかなか公式戦に絡むことができなかったという。加えて、特別なスピードやパワーがある選手ではないが、相手のマークを外すことを意識して取り組んできたことが実に。今シーズンは横浜FMユースとの初戦に続く決勝点で連勝発進の原動力になっている。

 今年は「3歳の時に初めてサッカーをやった時の番号」だという「7」を選択し、挑戦中。「(これまで)あまり目立たないことが多いんですけれども、細かいところで相手を外したりできるんで、自分をもっと大きく見せるプレーを心がけたい」。この日のようにDF2人をかわす力や、決める力など「自分をもっと大きく見せるプレー」も常に示して清水ユースを白星へ導き、自身の評価も高める。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●高円宮杯プレミアリーグ2021特集

TOP