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東京五輪組み合わせ抽選後、森保一監督会見要旨

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U-24日本代表の森保一監督

 U-24日本代表の森保一監督が21日、東京五輪組み合わせ抽選会の結果を受け、オンライン取材に応じた。

 以下、森保監督会見要旨

――組み合わせが決まっての率直な感想。
「五輪に参加する全てのチームが力のあるチームだと思っている。グループ分けしたからということで、何か大きく印象が変わることはないけど、あらためてドローが終わって五輪に向けて、いよいよ最終段階の準備を詰めていかないといけないという身の引き締まる思いと、五輪に向けて楽しみな気持ちが出てきた」

――対戦相手の印象は。
「南アフリカは個人の能力が高いアフリカのチームという印象プラス、アフリカの予選をスカウティングしても組織的に戦えるチームと認識している。

 メキシコは非常に試合の流れをつかみ取ることができる試合巧者という印象を持っている。どういう展開でも対応できる個人能力であったり、経験値があるチームだと思っている。彼らとは以前、東京五輪チームのアメリカ遠征で対戦しているので、その時のことも踏まえながら準備をしていきたい。

 フランスは五輪ではないが、直近の大きな大会ではロシアW杯で優勝しており、世界でもトップトップの選手が多くいる国だと思うし、五輪はU-24ということで年齢制限があるが、世界のサッカーをスカウティングしている時の印象として、五輪年代の選手が世界のトップトップのサッカー大国にたくさん輩出されており、選手層が厚い印象を持っている。どの選手が出てくるかはスカウティングを進めたいが、タレントぞろいのチームだと思っている」

――想定される中で厳しいグループになった印象だが。
「厳しいグループだと思う。グループリーグを突破するのも大変だし、非常に力のあるチームと同じグループになったということで、一戦一戦われわれの持つものを全てぶつけないといけないと思っている。対戦国の力を見て、グループリーグ突破が簡単か簡単ではないかは、周りの方から見ればそういう認識も出てくるかもしれないが、そういうことではないと思う。一戦一戦戦ってグループリーグを突破する、決勝トーナメントに駒を進めて一つ一つ勝っていくということ。目標はグループリーグ突破ではないので、厳しいグループを勝ち抜いて、われわれの目標である金メダルに向けて戦うという意味では、どの対戦国と同じグループになっても気持ちが変わることはない」

――フランスが本大会でオーバーエイジを使うか使わないかという情報は?
「つかんでいません。以前、ムバッペがオーバーエイジで出場したいという話は、ずい分前にメディアを通して知りましたが、実際にどういう選手が出てくるか、オーバーエイジの選手を使うかは今のところ分かっていない」

――ヨーロッパはユーロもある。どの選手を招集するかのリサーチは進んでいる。
「これからです。A代表はユーロがあると思うし、そことの兼ね合いで東京五輪に出てくるチームもメンバーが変わってきたりするかもしれないので、これからスカウティングを進めて、相手がどういうチーム作りをしてくるのかは把握していきたい」

――初戦・南アフリカ戦の位置づけ。
「全ての試合において、われわれが力をセーブして勝てる試合にはならないと思うので、全試合その時のベストを尽くすことに変わりはないが、初戦は非常に大切になる。まずはチームのコンディションを初戦に向けて、われわれの持っている力を全て出し切れるように準備したいと思っている。フィジカル的にもそうだし、メンタル的にもしっかりとした準備をして、初戦に勝利できるように最善の準備をしたい」

――海外組の状況、招集できるかという部分は?
「協会の国際委員をはじめ、関係者の皆さんに海外組、国内組の招集を含め、東京五輪に向けて準備をしていただいているし、選手の所属クラブといろんなコミュニケーションを取ってもらいながら、話を進めてもらっている。海外組の選手はまだはっきりと全ての選手が招集できるかは分からない状態と思っている。基本的には招集させてもらえると認識しているが、所属チームのリーグ戦での状況にもよって、来季どういう戦いになるかも影響してくる。選手たちも今、所属しているチームと話をさせていただいているが、また来季に向けて移籍等々もある。そこも踏まえながら、確認しながら進めているが、100%招集できるということは現段階でお話しできない。ただ、選手たちが五輪に向けて招集した時、所属クラブと選手自身も話してもらって、日本代表として東京五輪を戦いたいという意思を示してもらえれば可能性はより高まると思っている」

――対戦国を見て、こういうタイプのオーバーエイジを呼びたいという考えは?
「オーバーエイジのことは色々な質問を受けてきたが、まずは選手として絶対的な戦力になり得る選手だと思っている。つまりはA代表でコアなメンバーとして戦っている選手と考えているし、より経験値が高く、試合を安定して戦えるように、オリンピックエイジの選手たちが思い切ってプレーできるような、チームの支えになる選手をオーバーエイジとして考えていきたい。現段階では誰がということははっきりと名前を言うことはできないが、チームの状況を見て最終的に決めたい」

――18人と登録メンバーは少ないが、オーバーエイジは3枚すべて使う方針か。
「基本的にはオリンピックエイジの選手たちにも、オーバーエイジも含めて18人の日本代表の選考に入っていると話しているし、よりチームが安定して戦うためにオーバーエイジの力は必要になってくると思う」

――メキシコは北中米遠征以外にトゥーロンでも対戦しているが、印象は。
「まずは個人の能力という部分で、技術的にも戦術的にも非常に能力が高いということはこれまでの戦いの中でも感じているし、横内さんが指揮を執られてメキシコ遠征で試合をしたが、同様の報告を受けている。日本にとって悪くない結果で、これまでの戦いをきているが、そのぶん次の戦いまでに日本をより警戒して準備してくると思う。われわれはその上を行けるように準備しなければいけない」

――去年3月に本来なら国際親善試合で南アフリカと対戦予定だったので、スカウティングは進んでいるのでは。南アフリカを選んだことに特別な意味はあったのか。
「スカウティングに関しては、チームの戦い方に関する情報は分析班からもらっていた。個々の能力はアフリカ特有の身体能力がある選手が多いということと、アフリカの予選を見ても非常に組織だって戦いをしてくるところの報告を受けている。個人のところは、この先と考えているところで試合がなくなった。なぜ、試合を南アフリカと組ませてもらったかというと、私が監督になってから東京五輪のチームは、トゥーロンでは試合はしたが、経験値としてもっとアフリカのチームと対戦した上で東京五輪に向かった方がいいということで、我々の経験値を高めながら、東京五輪で勝つ確率を上げるために南アフリカを選ばせてもらっていた」

――当時アフリカの中でも強いという印象を持ってのマッチメイクだったのか。
「対戦相手が強ければ強いほど、我々もその経験を持って強くなれると思っているので、強い相手と親善試合をさせてほしいというのは協会の方とも話をしていた」

――この世代はU-19時代にフランス、U-20時代に南アフリカと対戦し、メキシコとも対戦経験がある。選手たちも、この組み合わせにビビることもないと思うが。
「まずは選手たちの経験値からいって、今どういう環境でプレーしているかというところで、世界のどこと当たっても、世界のトップトップの実力があるチームとでも目線は同じに戦えると思う。同等のメンタリティーで戦い、勝負を仕掛けられるという経験はさせてもらっている。東京五輪に向けてと、その前の育成年代から、選手たちはさまざまな投資をしていただいて、世界各国いろんな大陸に経験を積ませてもらえるように環境づくりをしてもらってきた。選手たちも育成年代でアジアを勝ってU-20W杯に出て、世界での戦いを経験した。自ら掴んだ結果で世界と戦える経験、そして協会をはじめとする、環境を作ってくれた人に、日本が世界と戦えるという経験を積ませてきてもらったことで、選手たちも絶対に自分たちも世界で勝てると思っていると思う。それがあるからこそ、海外でたくさんの選手が若くして所属クラブを欧州に移して戦いを挑んでいる。日常からヨーロッパでプレーすることで、世界のトップトップの選手がいる中でプレーをしていて、気後れするとか経験値が足りないということはないと思う。大切なのは我々がどの対戦国の試合になっても、自分たちが良い準備をして、落ち着いて、かつ思い切ってプレーできる準備をすることが大切だと思う」

――メキシコとは去年の欧州遠征でA代表と対戦。そこで五輪世代を多くいれていた経験も生きるのでは。
「オリンピックエイジの選手たちには、A代表の経験もたくさん積んできてもらったし、去年の11月にオーストリアで対戦させてもらったメキシコ代表はフル代表で戦った。そういう経験値が最大限に活かすことができて、同年代と戦った時に我々も、そして選手たちも、こんなにできるんだと思ってもらえるような厳しい経験はしてきたと思うので、自信を持って、メキシコにも、フランスにも、南アフリカにも戦いを挑んでいきたい。試合よりも難しい環境の中でルール設定をして練習をし、その時の選択肢の中で、もっとも強い対戦国とできるだけ試合をさせてほしいということは、トップトップを知ることで、どんな相手とでも我々はできるんだという自信を持つため、成果と課題をはっきりさせるために経験を積ませてもらってきた。東京五輪に向けても、これまでやってきた経験と自信を持って対戦国に挑んでいきたい」

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