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日本vsキルギス 試合前日の森保一監督会見要旨

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オンライン会見に出席した森保一監督

 日本代表は15日、パナソニックスタジアム吹田で行われるカタールW杯アジア2次予選で、キルギス代表と対戦する。森保一監督は14日、オンラインで前日会見を行った。

 以下、試合前日の森保一監督会見要旨

●森保一監督
——キルギス戦ではいろんなテストができるかと思うが、一度も先発していない選手もいる。どんなメンバーを送り出す考えか。
「セルビア戦から大幅に変更して、タジキスタン戦のメンバーを中心に今日のトレーニングで試して、試合の準備をしたいと考えている。100%タジキスタン戦と同じではないが、トレーニングで試して、明日のメンバーを決めたい。ベースはタジキスタン戦のメンバーかなと思っている」

——セルビア戦の後に選手同士の要求が出ている様子があるが、チームにとって良い変化なのではないかと思う。選手同士の関係性が上がってきていると思うが、変化を感じる部分はあるか。
「もともと私が代表の監督になる前、ロシアW杯から見させていただいていたメンバーに関しては意見をぶつけ合って、そこで自分たちがイメージの共有をしあい、チームとして一番いい戦い方が選択できるようにということで意見をぶつけ合う姿は見てきた。ここ最近、いろんなメンバーが変わっていく中で、いろんな条件があり、スタートの時点でお互い主張し合うというか、意見をぶつけ合うことが少ないところもあったかもしれない。見えていないところでも意見をぶつけ合っているのでわからないところもあるが、ここ最近になって話す量、コミュニケーションの量が間違いなく増えたと思っている。理由としては国内組と海外組とでホテルの過ごし方が違い、食事も別会場で、ホテルから練習場、ホテルから試合会場も完全に別グループでの行動なので、なかなかコミュニケーションが取りづらいところがあったが、いまは食事会場が一緒になり、お互いに顔を合わせる時間ができ、コミュニケーションの量が増えてきたのかなと思う。意見をぶつけ合うことに関してはすごくいいことだなと思っている。やはりわれわれは勝つことを目標に1試合1試合戦っているし、お互いがいいプレーをして、お互いの価値を高めることと、チームの価値を高めることを目指して戦ってくれている。なんとなくうやむやにしながらうまくいかない状況があったりするより、どんどん意見をぶつけ合ってチームとしての戦い方の最善を見つけるのは非常にいいことだと思う。セルビア戦の前半でうまくいっていないと言っているのはいろんなところで目にしているし、もっとスムーズに試合ができればそれに越したことはないと思うが、強豪を相手に自分たちの理想的な戦い方だけでないというところを踏まえておかないといけないと思う。そういう意味でセルビアの強固なディフェンスをこじ開けられない、リズムを掴ませてもらえない中、ミスはあったが、チームとしての考え方にはブレがなかったと思うし、うまくいかない中でも無失点で試合を進めていく、そして流れを掴み取るということをできるようになったことが非常にポジティブなことだと思っている。もちろんその中でわれわれが目指す理想どおりに戦えることは厳しく目指していくということは、素晴らしい要求の仕方だなと思っている」

——対戦相手のキルギスについてどう捉えているか。
「まずは選手たちが非常にハードワークをしてくること。球際も強いし、セカンドボールの反応も速い。組織としてやるべきコンセプトが固まっている、はっきりしているチームだなと思っている。実力でもわれわれのグループで2位におり、アウェーでの戦いではこのグループで一番強いという印象を受けた。その際は2-0で勝利させてもらったが、何度もピンチになったし、このグループで非常に力のあるチームだと思っている」

——練習では守備の原則を落とし込んでいたが、監督にとって大事なことは。
「斉藤(俊秀)コーチがGKを使ったビルドアップで意思疎通を図ってくれていた。守備の部分でもチームのコンセプトの部分を選手たちに伝えてくれていて、非常にいいトレーニングだったと思う。皆さんにわれわれがやっていることを見ていただけたのも良かったと思う。試合などでそういう局面をお見せできればと思うが、守備の部分はあまりないほうがいいですね(笑)。守備の戦術で一番大切なことは相手にゴールをさせないという部分で、セルビア戦でも無失点で終えることができたし、だからこそ安心して攻撃できるということになる。相手に得点を与えないように、失点しないようにということ。タジキスタン戦では1失点してしまったが、そこをいい教訓にして、無失点で試合を終えられるように、選手たちにはそこをキルギス戦での一つの目標にしてもらいたい。また、ただ守るだけの守備ではないと思っている。局面でまずボールを奪いにいくこと、激しく厳しく制限をかけていくこと。自分が奪えなくても、ボール保持者にファーストディフェンダーがプレスをかけることで、次の選手、次の次の選手とチーム全体でボールを奪っていけるようにという優先順位で考えている。まずはアグレッシブにボールを奪いに行ってほしいと思っている」

——コロナ禍で感染対策をしながらホテルで過ごしていると思うが、ストレスを防止するために工夫したことはあるか。
「コロナ禍で感染対策というバブルの中で、できる限り自分の部屋にいるということで、自由に散歩は行けないし、トレーニングの時だけ外の空気を吸うことができるということで、選手にはかなりストレスになっていると思うが、選手たちが一人でいる時間を工夫してくれて練習に集中できる過ごし方をしてくれているんだろうなと思っている。どう過ごしているかはなかなか分からないが、工夫といえばリフレッシュは個人に任せるしかないので、選手たちが考えて行動してくれていると思う。ただスタッフは選手が少しでもリフレッシュできるようにということで入浴剤を準備してくれていたり、食事会場は毎回同じだが、今回は2回ほど焼肉を食べさせてもらったりなど、ちょっとした変化を準備してくれていて、環境の変化でリフレッシュして明日に向かっていけるようにということで工夫をしてくれている。他は工夫のしようがないんですよね。選手のメンタルが強いというか、与えられた環境の中で、折れそうになることなく、折れることなく、自分を律してリフレッシュを考えながら毎日ベストなパフォーマンスをできるようにしてくれているのが何よりの工夫かなと思う。ここからまた話が長くなりますが、長期の大会をするにあたってメンタルを保つのは簡単でない。コロナ対策をしながら長期間の対策をするのは個人競技であっても団体競技であってもすごく難しい。精神力が問われる。それでも選手たちは愚痴も言わず、日々過ごしてくれて、集中したトレーニングをしてくれて、試合でチャレンジ精神を忘れず、その時のベストで戦ってくれているのは見ていて頼もしい。選手たちは緊急事態宣言下で活動させていただいていて、一般の人も困難の生活をしていることを選手たちもわかっていて、特別に活動させてもらっている中で自分たちが何ができるかを考えてくれていることが大きいと思う。感染対策を徹底しながら日々過ごす、日々自分のできることを続けながら目標に向かっていくということを身を持って、先頭に立って示してくれているのかなと思う。コロナ禍で好きなことができなくて大変な思いをしている方はたくさんいると思うし、サッカー選手が日本代表として活動させてもらえることが特別だというのは理解しているが、日々やっていることは特別なことではない。日々感染対策をして、たくさん制限がある中で、毎日前進していくことを選手たちが示してくれている。なかなかそうした姿を試合以外でお見せできないのが残念だが、監督としては試合を見ながら、日々どうやって過ごしていて、ベストパフォーマンスにつなげているかをメディアの皆さんを通して、コロナで大変な思いをしている人に伝えてもらえれば、日常の活力につながるのではないかという気がします」

——今回は橋本、守田、川辺でボランチを組んでいて、U-24に遠藤が行っている。今後も遠藤を軸に誰を選ぶかということになるかもしれないが、招集されていない柴崎をはじめ、どのようにボランチの選考を考えているのか。
「まず今後の選考において、最終予選を選考するにあたって、まずベースとなるのはその時に所属チームで試合に出ているパフォーマンスを見てということが基本になると思う。それにプラスして、これまでの活動の中で選手たちのパフォーマンスはずっと見ているので、過去のことも踏まえて総合的に選考につなげたいと思っている。おっしゃられたとおり、今回は柴崎岳に関しては3月、6月とプレーオフにつながる、1部昇格ができるかもしれないという戦いをしていたので、そこは配慮をして選考外にしたところはある。将来的に絶対的だということはないが、今回の6月シリーズでも可能であればチームに合流してもらうことは考えていた。9月に関してはたくさん力を示してくれている選手がいるので、A代表、U-24代表のボランチをベースに考えながら、海外にも国内にも候補に挙がっている選手がいるので、その時の状況でベストなメンバーと思われる選手を招集したい」

——左サイドバックは長友がリーダーシップを取っていて、存在感が圧倒的すぎる。ポスト長友のハードルはますます上がっていると思うが、コロナ禍で招集できないことも考えられる最終予選で道筋はどのように考えているか。
「道筋はいっぱい考えているが、どうですかね。今回のA代表では佐々木、小川がもちろん候補だと思うし、これまで招集している選手もいるし、U-24で左サイドでやっている選手ももちろん候補になると思っている。候補はたくさんいるし、招集させてもらって見てきた選手は基本的に候補の優先順位の上にはいると思う。視察を重ねながら9月の時点で一番いいと思われる選手を招集したいと思っている。5月末のミャンマー戦からの活動を見ていただいたし、3月の活動でも、初招集とか代表経験が浅い選手たちも代表の戦力として機能できることを示してくれている。国内外問わずいいプレーを見せてくれている選手を、これまでの選手とは別に加わってもらうことも含めて、最終予選を戦ってもらいたいと思っている。またワンチームツーカテゴリでA代表とU-24の五輪代表ということで2チームで活動しているが、U-24は下のカテゴリではなくもう一つのA代表だと思っている。U-24代表のジャマイカ戦でもそういうパフォーマンスを見せてくれているので、選択の幅はさらに広がっていると思う」

●カタールW杯アジア2次予選特集
●カタールW杯各大会予選一覧

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