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「このチームでたくさんサッカーをしたい」…相馬勇紀が感じるU-24日本代表の絆

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U-24日本代表MF相馬勇紀(名古屋)

 ピッチに立てば必ずと言っていいほど結果を残す。それが先発出場でも、途中出場でもだ。U-24日本代表MF相馬勇紀(名古屋)は、チームの勝利のためだけにピッチ上を駆け回っている。

 グループリーグ初戦となった南アフリカ戦では後半15分から投入されて五輪デビュー。「初戦は自分の入りも硬く、不完全燃焼だった部分もある」と振り返ったように、ゴールに絡む働きはできなかったが、続くメキシコ戦でスターティングメンバ―に名を連ねると攻守に存在感を示した。

 PA内で果敢に仕掛けると相手選手のファウルを誘い、チーム2点目につながるPKを獲得。さらに要注意人物の背番号10、FWディエゴ・ライネスをDF中山雄太(ズウォレ)とともに封じ込め、途中交代へと追いやった。

 そして、ベンチスタートとなった第3節フランス戦では後半27分にピッチへと送り込まれると、同アディショナルタイムにFW前田大然(横浜FM)のチーム4点目をお膳立てした。自身がPA内まで持ち込んでシュートを狙う選択肢もあったと思えたように、「自分で行こうか迷った」というが、優先すべきものは「チーム」だった。

「チームのために戦うことが一番。本当に大然が良い動き出しをしてくれていたので、狙い通りのプレーだった。やっぱり、チーム全体で成長していくことが優勝までの近道だと思うので、一戦一戦戦うとともに、チームとしても個人としても成長していきたい」

 グループリーグ3連勝での首位通過。最高の結果で決勝トーナメントに臨むチームの結束力が高まっていることを実感している。「象徴的なシーンとして、ゴールを決めた選手の下に全員が喜びに行けているし、得点が入ったらベンチの方にも来てくれている」。ともに喜びを分かち合うだけではない。「仲間が倒されたときは、ベンチの選手も、その選手を守りにいく」とチーム全員で一戦一戦を戦えている。

「橋岡(大樹)とかは、本当にずっと声を出してチームを鼓舞しているし、ベンチの選手も、ベンチ外の選手も本当にサポートしてくれている。選手、スタッフ全員がチームに関わっていて、チームが本当に強くなっている、チーム全体の絆が深まっていると感じます」

 だからこそ、「このチームでたくさんサッカーをしたいと素直に思っている」。1試合でも多く、最高の仲間とサッカーをするために――。まずは、ニュージーランドを下して準決勝へと駒を進めたい。

(取材・文 折戸岳彦)
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