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[MOM3536]鹿島ユースFW菊池快(3年)_1年時から“鹿島の13番”を受け継ぐストライカーが、2発を叩き込み勝利の立役者に!

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2ゴールでチームを勝利に導いた鹿島ユースFW菊池快

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.31 日本クラブユースサッカー選手権U-18大会準々決勝 京都U-18 1-2 鹿島ユース ロード宮城総合運動場陸上競技場]

 ユースへの加入早々に渡された背番号は「13」。鹿島アントラーズのアカデミーでプレーする選手として、FW菊池快(3年=鹿島アントラーズノルテジュニアユース出身)がその意味を知らないはずもなかった。かつて鹿島の前線を担った柳澤敦監督が背負っていた番号である。

「『13』は、重かったです。ヤナさん(柳澤監督)がコーチになるのと同じタイミングでユースに入って、1年生から13番をもらったときは凄く嬉しかったし、でも同時に責任も感じました」(菊池)

 期待値の高さに反して、結果はなかなか出せなかった。

「1,2年生のときは全然結果も出せなかったし、Aチームで出ることも少なかった。でも、3年になったところでヤナさんが監督になって、運命を感じたし、ヤナさんのためにも、チームのためにも、この背番号を背負ったからにはやるしかないと感じた」(菊池)

 以前は気負い過ぎていたという反省もあり、現在トップチームで13番を背負うMF荒木遼太郎が「本当に楽しそうにプレーして、結果を出している」(菊池)点を参考にし、重い責任は感じつつも、その重さばかりを感じるのではない気持ちの持って行き方も模索してきた。

 今大会は、ラウンド16のヴィッセル神戸U-18戦で試合を決める2ゴールを記録し、この準々決勝では「クロスに合わせるのは得意」という形で先制点を奪い、後半には点取り屋の嗅覚を発揮して決勝点も獲得。さらに「ああいうのも得意」という裏抜けから相手DFを退場に追い込む活躍ぶりだった。

 また、「得点は個人のモノではなく、チームのモノ」という哲学を貫く柳澤監督の教え子らしく、菊池は「チームのおかげ」と謙虚に語り、「絶対に走り負けないつもりで走った」という言葉どおりの献身的なプレーでも貢献し続けた。

 もう一人、刺激を受けるのは鹿島ノルテジュニアユースの大先輩であり、現在東京五輪を戦っているFW上田綺世だ。

「いつ試合を観ても、本当にお手本になるんです。クロスへの合わせ方、裏への抜け方もそうだし、トップチームに練習参加したときは、キープが苦手なので、『どうしたらいいですか』と聞きにいったら優しく教えてもらえて、今日の試合でも教わったプレーを出せました。本当に最高の先輩なんです」(菊池)

 卒業後は大学進学を予定していると語るが、ここでも追うのは憧れの先輩の背中である。「大学を経て、(上田)綺世くんと同じ道をたどれるようにしたい」。鹿島学園高から法政大を経て、鹿島のトップチーム入りを果たした先輩のように、4年後に鹿島から「戻ってこい」と言われるようなストライカーになる。そのためにも、まずはこの大会でチームを日本一へ導き、自分の可能性を示すのみだ。

(取材・文 川端暁彦)
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