[7.31 和倉ユース大会決勝 青森山田高 2-0 流通経済大柏高 七尾市城山陸上競技場]

　チームを優勝させることはできなかったが、試合終盤は主役級のプレーでベンチやスタンドを沸かせていた。流通経済大柏高(千葉)の技巧派レフティー、MF大田原蓮(3年=Wings U-15)はここまでプレミアリーグEASTで途中出場4試合のみ。和倉ユース大会のA戦は準決勝まで1試合に出場しただけだった。

　だが、MF高足龍(3年)の負傷もあり、選手間で決めた決勝の先発メンバーに抜擢。前半はなかなか力を発揮できなかったが、後半は相手のマークを外すドリブル、PAでのキックフェイント、アイディアのあるパスで違いを生み出していた。スピードに乗った状態や狭いスペースでも技術力を発揮。PAでさらに1人かわしに行ったところで止められたり、決定的なシュートを決め切れなかったりしたものの、宿敵・青森山田高(青森)を苦しめていた。

　主将のMF渋谷諒太(3年)は、大田原を先発起用した理由と成果について、「(自分たちは)パワーじゃないので。(大田原は)巧いので、左利きですし、下で勝負するのにはアイツの技術を活かしたかった。思い通りのプレーをしてくれたので良かったです」。また榎本雅大監督も「後半、あれが彼の味でもあるので。左足の凄いのを持っている。(決勝のプレーは)収穫です」と高く評価していた。

　その大田原は「違いを作るという意識をしながらいつもプレーしているので、出せて良かった。(チームメートが期待してくれて、)『やってやろう』という気持ちになったんですけれども、ああいうシュートを決めきれなくて少し悔しい気持ちです。課題がしっかりしたので、また練習からしっかりシュートのところで意識してやっていきたい」と語る。

　試合に負けただけに、納得はしていない。それでも、インターハイ日本一への切り札に名乗りを上げたレフティーは、「またキックフェイントなどで違いを示して、目立てれば良い。(見る人には)左足のキックの精度とか細かいプレーを見て欲しい」。全国ではゴールをもたらし、流経大柏を必ず勝たせる。

(取材・文　吉田太郎)

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