beacon

[クラブユース選手権(U-15)]PK戦で守護神・小林躍動。全国舞台見据えた強化も実り、FC東京U-15むさしが決勝進出!

このエントリーをはてなブックマークに追加

PK戦でGK小林脩晃が活躍。FC東京U-15むさしが決勝へ駒を進めた。

[8.23 日本クラブユース選手権(U-15)大会準決勝 FC東京U-15むさし 1-1(PK4-1)名古屋U-15 帯広の森球技場A]

 第36回日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会は23日、北海道・帯広の森球技場にて準決勝を開催。FC東京U-15むさし(関東2、東京)が1-1からのPK戦の末に名古屋グランパスU-15(東海5、愛知)を下し、日本代表MF久保建英(マジョルカ)らを擁した2015年度の第30回大会以来となる決勝進出を決めた。

 互いに23本ものシュートを打ち合う、「どっちが勝ってもおかしくないような試合」(FC東京むさし・北慎監督)だった。FW川村陸空(3年)の「本当に素晴らしいシュート」(同監督)から前半20分に先行したFC東京U-15むさしだったが、後半開始早々に名古屋U-15のFW野中祐吾(2年)にヘディングシュートを決められて追い付かれるやや苦しい流れだった。

 だが、北監督が時間の経過と共に感じていたのは、むしろ手応えだったと言う。

「名古屋さんも本当にいいチームですから。ウチはグループステージでは負けていたので(1-4で敗戦)、選手に内側から火が付いているのはわかっていました。追い付かれてはしまいましたが、この大会を戦いながら我慢するところと行くところの使い分けもできるようになってきていて、この試合でも最後のほうになるほど安定して守れるようになってきていた」

 加えて、モノを言ったのは「春先からこの大会のことも考えて、水を含んだ天然芝の重いピッチでやることを想定してトレーニングしてきたので、最後は走り負けなくもなっている」という点も、確かな自信となっていた。普段のリーグ戦などは人工芝で試合をすることが多いが、そこではなく全国舞台を見据えて強化してきたことが形になっている。

 そして迎えたPK戦、青赤軍団には守護神がいた。

「あの子は本当にPKが得意なんですよ」

 北監督が目を細めた先にいたのは背番号1をつけた守護神、GK小林脩晃(3年)。迎えたPK戦で、相手の1番手と3番手を見事にストップ。対するFC東京U-15むさしは4人のキッカー全員が「自信を持って迷いなく蹴っていた」(北監督)シュートを流し込み、PKスコアは4―1。見事、FC東京U-15むさしが決勝進出を決めた。

 今年はコロナ禍の影響から東京都を出ての試合が殆ど経験できておらず、練習試合を組むのも難しい時間が続いていた。それだけに、「こういう大会に参加できるのは本当に大きいですし、戦いながら選手たちが成長してくれるのを実感している」と北監督は言う。コロナ禍も2年目に突入し、「いまの選手たちは“合宿”というのをほぼ経験していない。サッカー以外の学びという意味でも、この大会の意味は大きいですし、開催してくださった皆さんには本当に感謝しています」と語った。

 24日11時から帯広の森陸上競技場で行われる決勝戦の相手はサガン鳥栖U-15(九州4、佐賀)。専ら都内で対戦できる相手とだけ戦ってきたチームにとって、「こうやっていろいろな地域の強豪チームと対戦できるのは本当に幸せなこと」(北監督)という思いを噛みしめつつ、この大会で培ってきた一体感を武器に戦い抜く一戦となる。

(取材・文 川端暁彦)


TOP