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[クラブユース選手権(U-15)MOM]FC東京U-15むさしGK小林脩晃(3年)_「ずっとずっと努力してきた」守護神が大会MVPに

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FC東京U-15むさしの守護神、GK小林脩晃が大会MVPに

[中学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.24 日本クラブユース選手権U-15大会決勝 FC東京U-15むさし 0-0(PK5-4)鳥栖U-15 帯広の森陸上競技場]

 反応して跳んだ方向とは違う弾道でゴールに向かったボールに対し、懸命に空中の体をコントロールしながら左足を伸ばす。「何とか当てにいった」と結果としてボールは跳ね返る。まさに値千金、連日のビッグセーブだった。

 ゴールに立つFC東京U-15むさしの守護神、GK小林脩晃(3年)の放つオーラは、まさに威風堂々。「PKは得意なんで」と自ら語るとおり、そして前日の準決勝でも2本をセーブしたという事実がその立ち姿を身長以上に大きく見せていた。相手の4番手まですべてのキッカーにゴールネットを許してはいたが、「次を止めればいい」と切り替え続けた。5番手のキッカーを前にして考えていたのも、「これを止めれば日本一だな」というポジティブな考えのみだったと振り返る。

「読んで左に跳んだんですけど、真ん中にボールが来てしまって、でもしっかりボールを見ながら残った足を伸ばして何とか当てにいった」(小林)

 GKの理想像は「シュートを止めるGKであること。シュートストップがGKの本質だと思っている」と語る守護神にとって、どんな形であっても、止めた者勝ちである。足一本でのビッグセーブで、2試合連続のPK勝利へとチームを導いてみせた。

 もちろん、PKを止めただけではない。雨に濡れた難しいピッチ状態でも、安定したセービングが光った。「ファンブルしてしまってもおかしくないボールがたくさんあったが、全部しっかりキャッチしてくれた」と北慎監督が称賛したように、セットプレーからの高さ勝負を武器とするサガン鳥栖U-15に対し、防空戦でも存在感を発揮し続けた。

「ずっとずっと努力してきた選手なんです。手を抜くことなく努力してきた成果がここで出たんだと思っています。本当に頼もしかった」(北監督)

 大会の表彰ではMVPも受賞。「本当に光栄だし、家族に感謝しないといけない。ただ、自分は最後の2試合のPKを止めたけれど、ここまで来られたのはチームメイトのおかげで、勝利に貢献するプレーをしてきたのは他にもたくさんいたと思う」と謙虚に語ったが、この選考についてチームメイトから異論が出ることはないだろう。

(取材・文 川端暁彦)

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