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murasakiがウイイレ高校No.1プレイヤーにこだわった理由「その世代の最強を知りたかった」

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murasaki(泉松陵高3年)が、ウイイレ高校No.1プレイヤーとなった

 優勝候補が高校年代の頂点に立った。すでに数々のタイトルを獲得してきたmurasaki(泉松陵高3年)は、高校No.1プレイヤーという称号にこだわりを見せる。優勝を掴み取り、「お金で買えるものではない」と喜びを爆発させた。

 PlayStation®4用ソフト『eFootball ウイニングイレブン 2021 SEASON UPDATE』(ウイイレ)の高校No.1プレイヤーを決定するeスポーツ大会「第1回全国高校eサッカー選手権大会 supported by PUMA」の決勝大会は24日に開催。オンライン予選を突破した8名は、オフラインの場で決戦に挑んだ。murasakiは緊張から初戦で苦しんだものの、準決勝は5-1で快勝。決勝は、中学3年時から知り合いだった134(国府高3年)との対戦となった。

 両選手ともにユヴェントスを使用。序盤は拮抗した展開となったが、前半17分に試合は動く。134は右サイドから縦パスで前進し、FWパウロ・ディバラがスルーパス。FWフェデリコ・キエーザが反応し、PA右から折り返すと、最後はFWクリスティアーノ・ロナウドがキックフェイントで相手選手をかわしつつ、右足シュートを沈めた。

 しかし、murasakiも反撃に出る。前半30分、敵陣のPA付近でC・ロナウドがボールを拾い、PAライン上から右足シュート。ゴールに突き刺して1-1と同点に追いついてみせた。さらに前半終了間際には、左CKから混戦となり、再びC・ロナウドがゴールネットを揺らす。逆転に成功し、2-1で前半を折り返した。

 実はこの2選手は今大会のオンライン予選でも戦っており、そのときはmurasakiが4-3で勝利。決勝でのリベンジを狙う134は「守備をたくさん練習してきた。相手にリードされても大丈夫って思って、ずっとプレーしていました」と冷静さを失わない。後半9分にはDFマタイス・デ・リフトの折り返しを、C・ロナウドがニアサイドでゴールに押し込む。2-2と試合を振り出しに戻した。

 追いつかれはしたが、murasakiは慌てない。「このときよりも先制点を奪われたときのほうがテンパっていた」というほどだ。後半23分にはFKの流れからパスで相手守備陣を翻弄し、最後はまたしてもC・ロナウドのヘディングシュート。3-2と再び勝ち越してみせた。

 さらに、murasakiは後半38分にC・ロナウドがダメ押しの4点目。諦めない134に終了間際に1点を返されたが、そのまま逃げ切り、4-3で優勝を決定させた。

「率直な気持ちは嬉しいですね」と試合後に応えたmurasaki。「シャーレは非売品。お金で買えるものではないので、これを受け取れたということと、この8人の中で優勝できたっていうのが一番嬉しいですね」と喜びを口にした。大会前には、高校生の頂点に立ちたいとこだわりを語っている。その理由も改めて明らかにした。

「ゲームって年齢関係ないと思うんですよ。どの年代の人でも大人に勝つことができるし、大人だって子どもに勝つことができる。ある意味、公平なところがある」

「でもその中で、どうしてもその年代で誰が一番強いんだっていうのは気になるところ。僕自身も気になっていた。その世代の最強を、その世代の子たちは知りたいと思うんです。こういうちゃんとした大会を、高校生の括りで開催してくれたことは本当に嬉しいですね」

 始めたきっかけは父だった。「僕の父親がウイニングイレブンが好きで、最初は見ているだけ。一緒にやるようになって、僕が負けず嫌いで。負けると本当に腹が立っていたので、そこで勝ちたい気持ちが強くなりました。一人でやり始めたのは小4くらい。バレないように一人でけっこう練習していましたよ。1点を決めたら父を煽ったり、そういう親子関係でした」。その姿を母親も止めることなく、「やることをやっていれば、なんでもいい」というスタンスだったという。

 すでにウイニングイレブンの世界では名の知れた選手だ。前作『eFOOTBALL ウイニングイレブン2020』では、大人も参加していた「YUBIWAZA CUP」で16歳にして優勝。多くのタイトルを勝ち取り、頂点に立ったことが好循環を生んでいく。今大会の勝因も「今までの経験値ですね。今までのオフライン大会の実績とか、結果とかが自信につながっていました。誰よりも経験値を持っているからこそ、試合も有利に進められる」と自信を垣間見せた。

 高校最終学年で挑むことができた今大会。「とても楽しかったですね。高校生の大会でこれ以上はない」とひと夏の戦いを振り返った。自分と似たような気持ちを持つ高校生プレーヤーに向け、メッセージも送る。「上手いか下手かは置いておいて、とりあえず出るっていうのはとても大切だと思います。その一歩があるかないかで人生が変わる。こういう大会に出て、結果だめでした。じゃあどう思ったかで、次のステップに進むと思うんですね。そういうのが大事だと思います」。貫禄を身に着け、少年は大人に変わっていく。

(取材・文 石川祐介)
●第1回全国高校eサッカー選手権大会

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