beacon

[MOM741]法政大FW中井崇仁(4年)_元Jリーガーコーチの指導で課題克服

このエントリーをはてなブックマークに追加

FW中井崇仁

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.26 総理大臣杯2回戦 法政大3-1IPU・環太平洋大]

 関東1リーグで3位の6得点をマークする法政大のMF中井崇仁(4年=尚志高)だが、彼の役割はスコアラーとしての仕事だけではない。「トレーニングでも雰囲気を作ったりしてくれている。彼の活躍はチームにとっても、凄く重要。周りが応援したくなる選手」と話すのは長山一也監督で、チームに勢いをもたらす加速装置のような選手だ。

 IPU・環太平洋大との一戦でも、トップ下の位置に入った中井は序盤からサイドのスペースに流れたり、相手DFのギャップに顔を出してボールを引き出した。前半11分にはPA右への飛び出しからゴール前にクロスを上げて、MF田中和樹(4年=浦和学院高)の先制点をお膳立てした。

 前半19分には、DF今野息吹(2年=三菱養和SCユース)の左クロスを頭で合わせて、2点目をマーク。45分にMF松井蓮之(4年=矢板中央高)が3点目を奪い、前半のうちに勝敗が決したため、後半からはベンチへと下がったが、中井が勝利の流れを作ったのは間違いない。「法政は後半に点を獲る展開が多く、リードをする展開が少なかった。なので、前半から点を獲ろうと意識していたので、2点に絡めて良かった」。

 この日の試合ではオフザボールの動きが目を惹いたが、元々は前線でボールをおさめる動きとゴール前での感覚に長けたストライカーだった。しかし、1.5列目でプレーし始めた今年からは元東京Vの井上平コーチの指導もあり、サイドへの飛び出しや間でパスを受ける動きを意識。課題だった守備の連続性も身についたことで、コンスタントにスタメンで出場する機会が増えた。

 試合経験を積むうちにプレーの精度や自信が高まり、今ではオフザボールの動きがストロングポイントになっている。来季からの加入が内定した藤枝MYFCが評価しているのも、彼のそうした部分だ。「Bチームのいた時期、Aチームにいながら出られなかった時期も結果を残すという部分では、自信になっていた。やり続けていれば、最終学年になりAチームで結果を残せる自信はあった」。

「色んな人との懸け橋になれるし、自分の幅も広がる。スタッフとのコミュニケーションを取るのも好きなので、自分でやらせてくださいとお願いした」と振り返る通り、今年に入ってからは主務としても奮闘を続けている。

 練習場の手配や、リーグ戦に出場する選手登録を行うなど、主務としての作業は多岐に渡る。主力としてプレーしながら、主務もこなすのは決して楽ではないが、「監督室に呼ばれる回数は多くて大変だけど、凄く楽しい。チームのためになれていると実感できるので充実感はある」と口にする。

 今大会は、チームとして優勝を狙うだけでなく、個人として得点王も狙っている。「上手い選手じゃなく、怖い選手になりたい。プレッシャーがある中で結果が残せる選手が大事だと思うので、トーナメントのような大事な試合で一発が決められる選手になりたい」と意気込む中井の活躍は、準々決勝も続きそうだ。

(取材・文 森田将義)
●第45回総理大臣杯特集

TOP