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[MOM743]筑波大FW森海渡(3年)_“早期プロ”を見据える点取り屋

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1ゴール1アシストを記録したFW森海渡

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.1 総理大臣杯3回戦 筑波大2-0桃山学院大]

 ファーストチャンスを確実にものにした。筑波大は前半3分、相手GKのパスミスを奪ったMF加藤匠人(4年=柏U-18)の横パスを受けたFW森海渡(3年=柏U-18)は右足ダイレクトで当てて流し込む。さらに森は同34分にもカウンターからドリブルでゴール前に運んでMF竹内崇人(1年=広島ユース)の追加点もアシストを記録した。

 ただ相手に主導権を握られる時間帯も多く、なかなか思うようなサッカーが出来なかった。得点のシーンについては「試合の入りをしっかりしようと言って入っていたので、冷静になれたのが良かった」と振り返った森も、「全員で守れたことが勝利に繋がったと思います」とホッと胸をなでおろした。

 3年生になった森。1年生入学時から注目を集め、ルーキーイヤーから関東リーグで8得点を記録。当時4年生でチームメイトだった三笘薫(現ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)の7得点を上回るチーム得点王の活躍だった。しかしシーズンも佳境に入った同年11月に前十字靭帯を断裂。長期のリハビリに入ることになった。

 だが大怪我はマイナスなことばかりでもなかった。怪我をしたことで、「体により目を向けるようになりました」。取り組んだのは体づくり。もともと幅のある体つきだったが、食事面やトレーニングメニューを見直すことで体を強くすることを心掛けたという。

 状態が万全になった今季は、シーズン開幕から得点を量産。関東大学リーグでは現在10得点。2位に3ゴール差をつけて堂々得点ランキングトップに立っている。

 もちろんJクラブスカウトも逸材に目を光らせる。1学年先輩のDF角田涼太朗は3年生で横浜FMへの入団を内定。今夏には卒業を待たずに横浜FMへの入団を決めるなど、Jクラブの動きは年々早まっている。森の動向にも注目が集まることは必至だ。

 そこについては森自身も十分に意識をするところ。「プロになることは大前提。Jリーグに行って1年目から活躍する気持ちでいる。もっと言えば大学4年目でデビューしたい思いもある。そういう機会を作るためにも結果を残し続けていきたいと思います」。

 個人の結果ももちろんだが、大学タイトルへの想いも強く持つ。今大会は当初、予選で敗退。しかしコロナ禍による辞退チームが出たことにより、繰り上がりでの出場になっている。森は「こういう機会はないくらいのチャンス」と捉えると、「連戦なのでここからはメンタルが重要になってくると思います」と中1日で迎える法政大戦に向け、気を引き締めた。

(取材・文 児玉幸洋)
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