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JFAが新たなコンプライアンス強化策公表…須原専務理事はJで相次ぐパワハラ疑惑にも言及

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 日本サッカー協会(JFA)は9日、2021年度の第10回理事会を開き、加盟団体向けのコンプライアンス強化策について報告した。「センシビリティ」(相手の気持ちや社会の要請に対する感度)向上のための研修プログラムを新たに立ち上げる他、加盟団体にコンプライアンス担当理事の選定を求め、JFA内の連絡窓口を明確化することが決まった。

 日本国内では2019年、スポーツ団体ガバナンスコードを策定。スポーツ団体が適切な組織運営を行うための原則・規範が定められた。JFAを含む中央団体においては「特に高いレベルのガバナンスの確保」(スポーツ庁)が求められており、基準の中にはコンプライアンス強化も含まれている。

 これを受けてJFAは2019年、地域・都道府県サッカー協会を対象にガバナンスアンケート調査を実施。役職員にコンプライアンス教育を行っていた組織は16%、コンプライアンスに関する規定・ルールがある組織は25%、責任者がいる組織は27%にとどまっていたという。JFAは「多くの協会がコンプライアンス教育を行っておらず、ルール等も無い状況」と課題を指摘している。

 コンプライアンス強化策を検討した結果、JFAはセンシティビティの向上のための研修プログラムを実施することを決定。ケーススタディなどを通じたセンシビリティの醸成、コンプライアンス関連規範・基準の理解を促進するという。

 さらに研修プログラム以外の仕組み構築にも着手。不祥事対応や研修会への出席などを行うコンプライアンス担当理事を今月中に選任することを求めながら、JFA側も専用メールアドレスを新たに設置し相談窓口を明確化する。

 またこの日、オンラインでメディアブリーフィングを行ったJFAの須原清貴専務理事は、報道陣からの質問に応じる形でJリーグで発覚した暴力・パワハラ疑いの事案に言及。「Jリーグが目指すところ、JFAが目指すところは全く等しく同じ。ゼロトレランス。一切の妥協を許さず、絶対にあってはならないこと。その中でJリーグは裁定委員会、規律委員会で適切な運営をしていると私は認識している。われわれも統括団体としてそれをサポートする立場にある。われわれもいろいろな形で情報をいただけるようなチャネルをご用意した上で、その上で情報をいただいたときにはスピーディに対応して、その上でJリーグをサポートしていくということをいままでもやってきたし、今後もしていきたい」とした上で「対応が全体の中で遅いのではないかというご懸念があることも反省の意味も込めて認識をしている。われわれとしてもJリーグと一緒になって、完全に撲滅する方向に持っていきたい」と立ち向かっていく姿勢を強調した。

(取材・文 竹内達也)

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