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柏がDF土屋巧の加入内定を発表!日体大柏高との相互支援契約7年目で初のJリーガー誕生!

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柏レイソル加入が内定した日体大柏高DF土屋巧主将

 柏レイソルは16日、日体大柏高(千葉)DF土屋巧主将(3年=ウイングスSC出身)の2022年シーズンからの新加入内定が決まったことを発表した。土屋は今年の関東大会準優勝校の強豪・日体大柏で主にCBを務めているが、ボランチとしてのヘディングの強さや守備対応、修正能力、視野の広さ、左右両足からの展開などにも注目のプレーヤー。2度の練習参加などで評価を勝ち取り、プロ入りを決めた。

 土屋は「小さい頃からの夢が一つ叶ったところで言うと本当に嬉しいし、今までの努力が報われたなという感じです。不安は凄くあります。でも、そこは自分が今までやってきたことを信じてやっていきたいです。サポーターの皆さんには、最後まで諦めないところやチームを盛り上げられるプレーを結構できると思うので、そういうところやそれプラス試合の局面を変えるパスを見てもらいたいです」とコメントした。

 柏は2015年より日体大柏と相互支援契約。柏レイソルU-18の全選手が同校に在籍して教育支援を受ける一方、日体大柏を“アカデミーの一つ”としてサポートし、日立台の練習グラウンドでのトレーニングや合同セレクションを実施、現在はいずれも柏のアカデミースタッフである根引謙介監督や菅沼実コーチが日体大柏の指導にあたっている。

 柏の布部陽功GMは「2015年に柏レイソルと日体大柏高校が相互支援契約を結んで活動を始めて、プロを輩出しようとそれぞれで頑張ってきて、今回土屋選手という素晴らしい選手と内定できて、成果が出たことを嬉しく思っています。ただそれがゴールでなく、スタートとして土屋選手に続いてどんどん素晴らしい選手を育てて、また柏レイソルと契約できるように頑張っていきたい」と語る。

 元柏DFで、コーチ、監督として土屋を3年間指導した根引監督は、「視野が広がったことで彼の武器である左右のロングキックが成長したと思いますし、あと対人の守備のところでいうと凄く年を追うことに逞しくなっていきましたし、僕自身、今年一番驚いたところは修正能力です。彼は対人で抜かれるところはあまり見たことがないんですけれども、スピードある選手に一回抜かれるようなことがあっても次は修正して仕事をさせない、彼の修正能力はこの先大きな武器になっていくのかなと期待しています」と教え子の成長について認める。

 戦う部分や判断の部分など、高校時代から学んできた“レイソルメソッド”。土屋は他のJクラブも関心を寄せていたほどの注目タレントだが、柏と日体大柏の縁がプロ入りの後押しになったことを本人は理解している。土屋は「本当に僕だけの力じゃないことは確かなので、根引さんだったり、(日体大柏高総監督の)片野先生だったり、色々な人のおかげでというのがあるので、感謝の気持ちは絶対に忘れないようにやっていく」と力を込めた。

 昨年まで日体大柏監督で、現在は柏U-18の指揮を執る酒井直樹監督の言葉が、自分をまた引き締めてくれた。「『行くだけじゃ意味ないよ』と。『一から自分の力を発揮して、試合に出て定着するまでやってこそ、日体のサッカー部からプロが出たことになるよ』と言われて。本当にそうだな、正しいことを言ってくれたなと。本当に僕は覚悟を決めて、1年目からポジションを取るつもりでやっていきたいと思っています」。プロで活躍し、後輩たちの夢を繋ぐ。

 土屋はパーソナリティーの部分も特長だ。練習参加した際、「レベル高いところでやっている方たちなので、今のうちに聞けることは全部聞いちゃおうと思って」自ら行動。練習後にヘディング練習をしていたDF高橋祐治の下へ行き、守備対応やヘディングについて尋ね、ある練習試合後にはFW瀬川祐輔に質問して、全体のバランスを見て、本当に正しいポジションを取れているか確認することを指摘してもらった。

 その積極的に行動し、吸収しようとする姿勢を布部GMは「一番は素晴らしいパーソナリティーが(内定の)決め手になったと思います。コーチングスタッフが彼の性格、凄く良いねと。あるコーチからは『育てたい。もっともっと教えて。必ず伸びるよ』と聞いていたので、そういったコミュニケーション能力は彼の良いところ。今後プロとしてやっていく上で良い部分じゃないかなと思っています」と評価する。土屋は練習参加期間で特に細かなコーチングができるように変化。現在は背中や臀部、腿裏、ふくらはぎの強化などプロで通用する体作りにも精力的に取り組んでいるという。布部GMの「キックのスピードや動作のスピード……攻撃も守備もスピードをつけていけば十分にJ1でプレーできると思います」という言葉も胸に課題を改善していく。

 土屋は柏の印象について、「やっぱり自分の中でレイソルは戦うイメージ。戦って局面では絶対に負けない、というイメージが強いので、自分のプレースタイルに合っているというのもあるし、練習参加でクラブの温かさを感じて、凄く居心地が良かったので自分にとってとても合っているクラブだと感じました」とコメントする。

 その戦うチームでスタートするプロ生活。「絶対に局面では負けないし、走れて、ボールも捌けて、泥臭くチームを元気づけられるような選手になりたいです。まずはピッチに立ってからじゃないと何も始まらないので、今できることをレイソルに行くまでにできるだけ多くやって、それで試合に出て、レイソルを勝たせられるような選手になって、J1でリーグ優勝とかも目指したい。今まで支えてくれた家族やたくさんの人達への感謝の気持ちを忘れずにしっかりとプレーしていきたいなと思います」。高校3年間、日体大柏で“レイソルメソッド”を注入されてきた土屋は、「(ライバルは)自分の中では戸嶋祥郎選手です。走れるし、戦える。自分も負けないように」という柏の先輩MF戸嶋祥郎や日本代表MF遠藤航(シュトゥットガルト)のように、攻守両面で中央を制圧する選手になって、柏の勝利、タイトル獲得に貢献する。

柏レイソル内定の日体大柏高DF土屋巧(右から2人目)と柏・布部陽功GM(右端)、日体大柏・根引謙介監督(右から2人目)、日体大柏・氷海正行校長(左端)。(※撮影時のみマスクを外して撮影しています)

(取材・文 吉田太郎)
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