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[関東]パリ五輪候補“長兄”順天堂大DF山崎大地が目指す理想は『ラスボス』

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山崎大地(3)が後半アディショナルタイムに貴重な同点弾を決めた

[9.25 関東大学L1部第17節 法政大1-1順天堂大 小出義雄記念陸上競技場]

 順天堂大は1点ビハインドの後半アディショナルタイム4分、右サイドでMF寺山翼(3年=FC東京U-18)が倒されて獲得したFKをMF安島樹(3年=大宮ユース)が蹴ると、ニアでMF小林里駆(2年=FC東京U-18)がそらす。これに走り込んだDF山崎大地(3年=広島ユース)が豪快にゴールネットを揺らした。

「今日はコーナーとか自分のところに来る場面が多くて、“今日はあるのかな”みたいな感じでいて、信じて入りました。里駆が上手いことそらしてくれて、あとは気持ちで押し込みました。どうしても負けられない試合だったので。勝ちたかったですけど、追いつけて良かったです」。22日の拓殖大戦で黒星を喫していた順大。連敗を避け、上位争いに踏みとどまったという意味でも貴重な勝ち点1となった。

 山崎は2001年1月8日生まれ。サッカーの世代別代表は学年ではなく、生まれ年で区切られるため、パリ五輪代表(2024年のU-23日本代表)に“最年長”として選ばれる権利を持っている。大学入学後も同期のFW大森真吾(3年=東福岡高)とともにJリーガーに交じって世代別代表に選ばれ続けてきていることからも、明確な目標として捉えている。また大学の先輩で大学時代から代表活動に参加し、東京オリンピックに出場したFW旗手怜央(川崎F)にもイメージを重ねる。

 特にCBはチーム作りの根幹を担うと自覚している。今夏の東京オリンピックでは、オーバーエイジのDF吉田麻也とDF冨安健洋というA代表コンビがその役割を担った。安定感に目を奪われるとともに、同学年のDF瀬古歩夢がメンバー入りしていたことで、「自分ももっとやらない」と決意を新たにしたという。「パリ五輪に出場して悔しさを晴らしたいです」。

「意識しているのは自分がやられたら負けるということ。自分がラスボスだというか、“ラスボス感”を対人に関してもカバーリングに関しても意識していきたいです」

 この日の会場にはU-20日本代表コーチの冨樫剛一氏の姿があった。「来てましたね」と笑みをこぼした山崎だが、「冨樫さんがいなくても、アピールは変わらないです」と表情を引き締める。「選ばれるか分からないですけど、引っ張っていかないといけないことは自覚しています。チームを勝たせられる力を身に着けていければいいと思います」。まずは大学サッカー界で鉄壁のラスボスに、そして必ず日本のゴール前を守るラスボスになる日を目指す。

(取材・文 児玉幸洋)
●第95回関東大学L特集

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