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試合直後に映像を確認し解決策も共有、長友「失点シーンはみんなで見た」

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左サイドを駆け上がるDF長友佑都

[10.12 W杯アジア最終予選 日本2-1オーストラリア 埼玉]

 最後はベンチから勝利を祈った。日本代表DF長友佑都(FC東京)は「とにかく勝ってくれということしか考えてなかった」と試合終盤を振り返る。後半40分に途中交代すると、チームは直後に勝ち越しゴール。「自分がピッチにいようがベンチにいようが気持ちは同じ。まったく変わらずチームメイトを応援していた」と、タッチラインの外から仲間を鼓舞し続けた。

 前半から豊富な運動量を見せ、左サイドの攻防で優位に立った。「攻撃のときは僕自身が高い位置を取って、相手のサイドバックを困らせるということで、いい感じで左サイドを崩せて攻撃にも絡めていた」。ロングボールから長友が相手の背後を取るシーンもあり、「相手のサイドバックが僕を見るのか、サイドハーフが僕を見るのか、微妙なポジションからスタートできていた。相手も嫌がっていたので、チームとしてもどんどん裏を狙っていこうと話していた」と狙い通りの試合運びができた。

 悔やまれるのは失点につながるFKを与えた場面だった。1点リードの後半20分、日本はオーストラリアのビルドアップに対して高い位置からプレスに行った。左ウイングのMF南野拓実が相手のセンターバックにプレッシャーをかけるが、パスをつながれ、フリーになった右サイドバックのDFフラン・カラチッチにボールが渡る。ハーフウェーライン手前だったが、長友がカラチッチに対してプレスに行くと、ポッカリ空いた背後のスペースにパスを出され、フリーで抜け出したFWマーティン・ボイルがマイナスに折り返したところにMFアルディン・フルスティッチが走り込み、MF守田英正のファウルを誘った。

 結果、これがFKの判定となり、フルスティッチが直接叩き込み、1-1の同点。「(失点場面は)前が3対3の状態になっていて、基本的には南野選手が相手の落ちたボランチやセンターバックに(プレスに)行ったときは、僕が相手のサイドバックに対してなるべく縦切りでスライドするという役割だった」。チームの守備戦術の一端を明かした長友は、このシーンを試合直後にすぐチームメイトと確認したという。

「僕が本当にサイドバックに出ていいのかというところで、前半から難しい判断があった。失点シーンはみんなで見て確認したけど、結論としては、僕があそこでサイドバックに出て、冨安がズレて、(吉田)麻也がスライドすることができれば問題なかったという結論に選手の中ではなった」

 実際にはDF冨安健洋もDF吉田麻也も中にステイし、アンカーのMF遠藤航が戻ってきてボイルのクロスに対してスライディングで対応したが、届かなかった。「僕自身、もっと縦を切っていればやられなかったかもしれないし、冨安も麻也との距離があって、自分がスライドしていいのか迷ってしまったということだった」。長友はそう悔やんだ。

 守備陣として難しい対応を迫られたシーンだったのは間違いない。とはいえ、試合直後にも関わらず、すでに選手同士で映像を確認し、課題と解決策も共有済み。「トミと麻也がズレて、僕がサイドバックに出て、全体的にズレるという話し合いはできた」。同じ形でのミスは絶対に繰り返さない。

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