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岡山内定の米子北MF佐野航大、2年前の選手権と今夏のインハイ決勝で敗れた宿敵を超える

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ファジアーノ岡山内定の米子北高MF佐野航大は宿敵へのリベンジを誓った

 ファジアーノ岡山加入内定の米子北高(鳥取)MF佐野航大(3年=FC Viparte出身)は、宿敵を超えて高校生活を終える。米子北は今夏のインターハイで09年以来となる決勝進出。決勝では、準決勝までの5試合で大会記録を更新する28得点を叩き出していた青森山田高(青森)に挑戦した。

 前半、佐野のPKで先制した米子北は、セットプレーで佐野が再三競り勝つなど青森山田の攻撃を跳ね返していく。佐野は「相手も自分が弾くと嫌な感じがしていました。そこのやり合いで負けたらロングボール一発でやられると思ったので、ファウル受けてでも止めてやろうと思っていました」。ポジショニングの上手さと駆け引きで青森山田の長所を消した佐野の奮闘もあり、米子北は終盤までリードを守っていく。

 そして、速攻から追加点のチャンスも作り、佐野がDFをかわしてロングシュートにチャレンジするシーンもあった。だが、青森山田の猛攻を凌ぎ切ることができず、後半終了1分前の34分に失点。そして延長後半ラストプレーでCKから決勝点を奪われた。佐野は「最後のプレーは、自分がニアストーンで死にものぐるいで出ていたら、弾けていたかもしれない。そこでちょっとビビってしまったのもあるかもしれない」。あの失点、敗戦の悔しさは忘れていない。

 個人としては決勝で青森山田相手に通用した一方、舞い上がってしまい、相手にとって怖いプレーを十分に発揮することができなかったと感じている。インターハイ後、チームはクラスターに見舞われ、十分なトレーニングができた訳ではないが、その中でも大舞台で試合を決める選手、チームを勝たせられる選手を目指してきた。

「ミドルシュートも練習しましたし、最近は練習でも調子良くて当たるようになってきたなというのがあります。(中盤から)もう一個運んでミドルとか、侵入したら相手も怖いと思うので、選手権までに武器ができればと思います」。活動自粛期間には、体幹やバランスの向上に取り組み、兄・MF佐野海舟(町田)の映像を見て競り合いでの身体の入れ方なども学んだ。試合感や運動量をまだ取り戻し切れてはいないようだが、プラスアルファを身につけている。

 米子北は2年前の選手権初戦でも青森山田と対戦し、0-6で完敗。佐野は自身最後の選手権で青森山田との再戦を熱望する。「全国でやられた分は、本当に全国で晴らすしかない。自分も2回山田に負けているので、また決勝で山田と当たってリベンジして優勝したい」。そこまで勝ち上がることが簡単ではないことは、十分に理解している。インターハイも一戦一戦、全員で集中して戦ったからこその決勝進出。CB鈴木慎之介主将(3年)とともに要求高くチームメートに厳しさを求める佐野は、目の前の練習、試合に全力で臨み、勝ち続けて、宿敵を超える。

(取材・文 吉田太郎)
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