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最後は迷わず、「自分の気持ちで打つ」。交代出場MF伊藤拓磨の左足ミドルが成田北を千葉16強へ導く

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後半7分、成田北高MF伊藤拓磨の左足シュートがゴールを破る

[10.17 選手権千葉県予選決勝T1回戦 成田北高 1-0 検見川高]

「19」を背負う3年生MFの左足が、歴史の扉を開いた。0-0の後半7分、成田北高は、敵陣右中間のこぼれ球に反応したMF伊藤拓磨(3年=成田中出身)が左足を振り抜く。ミドルレンジから「蹴れる!と思って、瞬間的に判断して打った感じです」という一撃はGKの頭上を越えてゴールイン。ブロック予選の出場時間がわずかだったというMFの今大会初ゴールが決勝点となった。

 この日は、「背後狙うシーンが前半結構あった中で、そこで一個繋がらなかったり、ゴール前まで行けない。もうちょっとだと思っていた。(伊藤は)良い走る。良いタイミングで流れてくれる子なので」という櫻田常聖監督の狙いで後半開始から出場した。

 前半、伊藤はチームメートとともに相手GKやDFラインの特長を確認していた。相手のGKは小柄。またDFラインが高いため、GKも前目のポジションを取っていた。伊藤が考えていたのは、出番が来た際は自分のスピードを活かしてDF背後を狙うこと。そして、チャンスがあれば遠目の位置からでもシュートを打ち込むと決めていた。

 仲間の頑張りによって前半は0-0で終了。ピッチに立った伊藤は狙い通りに相手の背後を脅かす。そして、得点シーンでは迷わずに利き足と逆の左足シュート。強雨でピッチに水が浮き出ていたこともあり、ドリブルは難しいということも咄嗟の好判断に繋がった。

「本当に嬉しいです。出たからには点を取りたかったので」。伊藤にとって課題はシュートだった。シュートシーンまで行くことができても、決められない。もちろん、シュート練習を繰り返してきたが、行き着いたのは「最後は思い切り、何も関係なしに自分の気持ちで打つ」こと。それを実行し、大仕事をしてのけた。

 伊藤は今後の戦いへ向けて、「目標はまず次勝つことで、個人的なところではまた点を取りたい。アシストとかでチームに貢献したいです」。ゴール、勝利のためにできることを発揮し、また仲間たちと喜ぶ。

ゴールを決めた成田北高MF伊藤拓磨は喜びを爆発

(取材・文 吉田太郎)
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