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4-3-3変更の裏には“南ア”岡田ジャパン…? 森保監督「実はそこもイメージしていた」

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オンライン取材に応じた日本代表森保一監督

 日本代表森保一監督が19日、オンラインで報道陣の取材に応じ、カタールW杯アジア最終予選オーストラリア戦で4-3-3を採用した経緯を明かした。システム変更を決断したのは「サウジアラビア戦が終わってから」だったという。

 日本代表はカタールW杯アジア最終予選の10月シリーズで、サウジアラビア、オーストラリアと対戦。指揮官は「われわれの力を発揮していく、相手がより嫌がる形としてどうしたらいいのか」という考えから、敵地で行われたサウジアラビア戦の前には「3バックも考えていた」というが、これまでどおりの4-2-3-1で臨むことを決断して0-1で敗れた。

 そこからホームでのオーストラリア戦を前に、システム変更に踏み切った。

「経緯としては何か劇的に変えようと思ったわけではなく、4-2-3-1でも4-1-4-1でも4-3-3でもベースは変わらない。立ち位置は変えないといけないが、大きく変えるというようなこととしては考えていなかった」。

 そこではMF守田英正とMF田中碧を先発に抜擢。森保監督は「練習を見ていて、また代表活動前のスカウティング、これまでの活動を通して、守田と碧は試合のスタートから使ってもいいかなと。トレーニングからも見させてもらっていた。もちろんもちろん他の選手も選択肢にはあったが、練習を見ていて決めた」と理由を語った。

 また4-3-3を採用した背景には、2010年の南アフリカW杯での岡田ジャパンの戦いぶりも頭にあったという。報道陣から、カタールW杯アジア最終予選の試合中継で解説を務める岡田武史氏とのやり取りを聞かれた森保監督は次のように明かした。

「4-3-3でオーストラリア戦を戦ったが、われわれの選手を見て、チームとしてこう戦う時にオーストラリアに対して勝つ確率を上げるという考え方は持っていたが、南アの時に岡田さんが4-3-3をやっているんですね。実はそこもイメージしていた。守備の時は4-5-1になったりする形は、岡田さんが南アのとき攻守でより連係連動できるところ、サイドのケアもすごく考えられていたと思うが、私もアジアで勝っていく、世界で勝っていくためにはそこも気をつけないといけないというか、ポイントだと思っているので、岡田さんがあの時に実践されたことをイメージして戦ったというやり取りをした。あと戦術的に中盤の突き方とかサイドのケアの仕方はメールでアドバイスをいただいた」。

 続いて指揮官は、過去のW杯でベスト16に進出したチームから学んだことを自ら切り出した。

「アジアのこの厳しい戦いを勝ち抜くということを忘れてはいけないが、世界でベスト16の壁を打ち破るために必要なことはたくさんあると思う。すでにこれまでW杯で3度ベスト16に進出している。その中で一回一回いろんなポイントはあると思うが、一つずつ言うとトルシエさんの時は組織力。やっぱり日本人は役割をしっかりしていて、組織力をもってすれば世界で戦って行けるんだなということ。岡田さんの時は良い守備から良い攻撃になるということ。日本は過去の歴史でサイドを破られて、サイドからゴールを破られる、ロングボールをゴール前に放り込まれて押されてしまって試合を落としてしまうことがあった。サイドのケアをすることで、守備で4-5-1になって横幅をしっかり守れるようになるのはすごく参考になると、岡田さんの良い守備から良い攻撃になるというのは、われわれも目標を達成するために活かしていかないといけないと。岡田さんが守備であれば、西野さんは攻撃だった。日本人ってもっとボール握れるでしょ、速攻も遅攻もできるし、自分たちがもっとボールを握りながら試合を進められるんじゃないかというメッセージをくれた」。

 組織力、守備力、攻撃力——。過去のW杯での日本代表の戦いぶりをそう位置付けた森保監督は「そこを活かして、われわれのチームづくり、活動をしていく。そしてまたブラッシュアップしながら必要な力を蓄えながら、培いながら目標が達成できるようにしていきたい」と意気込みを語った。

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