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[MOM748]明治大MF倉俣健(2年)_3連覇に王手かける鮮やかボレー弾

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倉俣健の大学L初ゴールで逆転勝ちした

[10.23 関東大学L1部第21節 明治大2-1順天堂大]

 控え選手が流れを変えた。前半を1点ビハインドで折り返した明治大は後半6分にDF徳永敦優(3年=ルーテル学院高)に代えてDF鷲見星河(1年=名古屋U-18)を投入。すると直後のセットプレーからこぼれ球を鷲見が蹴り込んで試合を振り出しに戻すと、同15分にはMF林幸多郎(3年=鳥栖U-18)に代えて、ドリブルに特長のあるMF倉俣健(2年=前橋育英高)をピッチに送り込み、逆転弾を奪いに行った。

 すると後半40分、明大は同点弾の時と同様に右サイドでCKを獲得すると、MF田中克幸(2年=帝京長岡高)がインスイングで入れたボールに鷲見が競り勝つ。これは相手にかき出されたが、浮き球となったボールを倉俣が得意の左足で合わせる。「難しくないと言えばウソになる」と笑みをこぼした倉俣の会心のボレーがゴールネットに突き刺さり、明大が3連覇に王手をかける勝ち点3を積み上げた。

「控えの選手が流れを変えられるような準備をしていました。交代の直前に栗田監督から『お前がチームを勝たせてこい』と言われていた。自分がアシストなり、得点なりで勝たせようという思いで入りました。(決勝点の場面は)自分のところにこぼれてきて、難しくないと言えばウソになるけど、気持ちでねじ込んだ、ふかさないように意識したことがゴールに繋がったと思います」

 同期の“活躍”が刺激になっていた。26日にAFC U23アジアカップウズベキスタン2022予選でパリオリンピックに向けた初陣を迎えるU-22日本代表に、明大からFW佐藤恵允(2年=実践学園高)が選出された。「誇らしいし、嬉しい」と話す倉俣だが、1年生の時から試合に出場し、代表まで駆け上った同期へのライバル心をたぎらせる。

「(佐藤の代表選出は)明治には見てもらえるチャンスが転がっているということ。恵允を筆頭にもっと代表とかに絡んでいけたら、もっと明治が強くなると思います」

 左利きのドリブラー。プレースタイルは高校の先輩である坂元達裕(C大阪)と重なる。「坂元選手も今はJ1で活躍している。自分もその舞台を目指してやっているので、参考にもしていますし、追いついて追い越せていければいいと思います」と意識を十分にする。

 3連覇に王手をかけた明大。12人がJリーグに進んだ昨年度のような個の能力に秀でた選手は少ないが、それでも全員がカバーし合うことで、一つずつ勝ち星を積み上げてきた。9月15日の拓殖大戦でデビューし、出場4試合目で初ゴールを奪った倉俣ら、ラッキーボーイの台頭も終盤戦を戦う上での重要なピースになっている。「自分たちは4年生を優勝させたいという思いでここまで戦ってきた。魂のこもったプレーであと2勝して、優勝をつかみ取りたいと思います」。

 栗田大輔監督は常々、「今年は全然強いチームじゃない」と繰り返してきたが、連覇で築き上げた自信はそう簡単には崩れない。

(取材・文 児玉幸洋)
●第95回関東大学L特集

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