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全少得点王、中学でボランチ転向、大学3年生でFC東京内定、順天堂大MF寺山翼「積み上げてきたものが評価された」

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明大戦で先制点を奪った寺山翼

[10.23 関東大学L1部第21節 明治大2-1順天堂大]

 今夏の天皇杯ではFC東京を破るなど大波乱を演じた名門・順天堂大が、リーグ戦で厳しい戦いを強いられている。

 今季の関東大学リーグは11位と12位が自動降格、10位が入れ替え戦に回ることになるが、順大は全22回戦中21試合を消化した現在、勝ち点25の9位。ただ10位で同24の早稲田大は消化試合数で3試合少なく、11位で同23の拓殖大も1試合少ない状況。残留に向けては他力が必要となっている。今季はゲームキャプテンとしてキャプテンマークを巻き、ここまで全試合に出場しているMF寺山翼(3年=FC東京U-18/FC東京内定)も責任を感じている様子だ。

 23日の明治大戦では前半25分にCKを頭で合わせて、今季自身2点目となる先制点を記録した。しかしチームは後半の2失点によって逆転負け。「3年生だと大森(真吾)と山崎(大地)と自分が1年生から試合に出続けている。責任感とプライドを持って、自分たちがこのチームを引っ張らないといけない」と口元を引き締めた。

 大学3年生で卒業後の進路を決めた。もともと「3年次で加入を決めたいと目標を立てていた」のだという。「FC東京に戻るという気持ちで大学に入ったので、積み上げてきたものが評価されて加入が内定したというのは、素直に嬉しい。ただまだFC東京に行っても試合に出られるわけではないので、もっともっと積み上げて、より早く試合に出られるように頑張っていきたいと思います」。

 幼少期は全国的に名の知れたストライカーだった。地元サッカークラブの新座片山FCでは小学校6年生の時に出場した全日本少年サッカー大会で得点王を獲得。同学年で決勝で対戦した柏レイソルU-12に所属した、現在関東大学サッカーリーグ1部の得点王で当時から注目されていたFW森海渡(筑波大)を上回る得点数でチームを日本一に導いた。

 中学入学と同時にFC東京U-15むさしに入団。しかし自信を持って強豪の門を叩いたが、「FWとして全く結果が残せなかった」。そんな中で中学3年生に上がるころに転機がやってくる。怪我人が出たことで当時の監督にボランチに抜擢されたのだ。

 それまで全くやったことのないポジションだったが、同学年にいたMF平川怜(現松本)のプレーを参考にすることで、こなすことが出来たという。「入ったときに一番衝撃を受けたのが平川怜選手。自分は足元にも及ばないと思った。でも平川選手のプレーをずっと見ていたので、ボランチは何となく、平川選手を見ていたからこそできた部分があったと思います」。

 FC東京U-18に上がると、3年時には主将も務め、順大に進学すると、ルーキーイヤーから開幕スタメンに抜擢されるなど、いきなりレギュラーとして活躍。堀池巧監督の信頼も掴んでいる。「堀池さんが良く言うのは原理原則。ビハインドザボールで前を向く意識とか展開力は求められてきた。そういったところの力がついてきたと実感しています」。

 残りの大学生活はプロで1年目から活躍するための準備に注ぐ。「まずは自分の長所であるボールを奪うところであったりは質を上げていきたい」と意気込んだ3年生キャプテンは、「ただ長所だけを伸ばしてもダメなので、短所の部分で言うと周りの選手を動かす力やパスの精度、左足の精度にこだわってやっていきたい」と意気込んだ。


●第95回関東大学L特集

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