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また稲垣、やはり稲垣…“名古屋の王様”がルヴァン杯MVP弾「学びながら修正してきた」

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[10.30 ルヴァン杯決勝 名古屋2-0C大阪 埼玉ス]

 今の名古屋グランパスを象徴する選手は間違いなくこの男だ。1-0で迎えた後半34分、FWシュヴィルツォクの個の突破から放ったシュートがゴール正面にこぼれると、そこに走り込んだのはやはりと言うべきか、MF稲垣祥だった。

「いいこぼれ球がこぼれてきてくれて、あんないいこぼれ球だったら決めないといけない。打つ瞬間は冷静に叩きつけることだけを意識しました」。大会MVPにも輝いた29歳MFは、トレードマークの満面の笑みで胸を張った。

 今季は選手層の厚さを武器に様々なバリエーションで選手を組み替えて戦う名古屋だが、中盤の核である稲垣を外すことは絶対にない。抜群の運動量からみせる献身的な守備はもちろんだが、今季は得点力でもチームをけん引。リーグ戦の8得点は堂々チーム単独トップの数字だ。

 これまでの蓄積が得点量産の要因だと強調する。帝京高校で10番を背負うなど、もともとの能力の高さは折り紙付きだが、やはりここに来てのゴール量産は驚きべきものがある。ただ本人は「特に変えたことはない」という。「数多くのシュートを外してきて、学びながら修正して、精度があがってきた」。

 さらに「カウンターが武器で走力が活きて、自分のゴールが生まれる要因かな」と話すように、名古屋の戦術がフィットしていることも多分に影響しているようだ。「僕のファンの方はどうしようもないプレーをしていた時期を知っている。そういった方々は分かっていると思います」。

 紆余曲折を経て、名古屋でタイトルをもたらすことのできる選手にまでなった。「タイトルがかかった大一番で、クラブとして大きな違いがあると認識していた。タイトルを決定づけるようなゴールが取れたことは良かった」。“名古屋の王様”になった稲垣の実力を疑う者はもういない。

(取材・文 児玉幸洋)
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