beacon

期待の初招集も初戦ベンチ外…胸中明かした旗手怜央「試合に出たい」

このエントリーをはてなブックマークに追加

オンライン取材でMF旗手怜央(川崎F)

 カタールW杯アジア最終予選ベトナム戦の試合前、発表された日本代表のメンバーリストにMF旗手怜央(川崎F)の名前はなかった。試合から一夜明けた12日、旗手は報道陣のオンライン取材に応じ、現在の胸中を明かした。

「やっぱり昨日の試合を見たからこそ試合に出たい。もちろん選ばれたことはすごく光栄なことだけど、その中でも出られる人数は限られている。出場できる人数の枠に入りたいという思いもあるし、今の現状ではまだまだ入れないので、毎日しっかりやっていきたいという思いを持っている」。

 同じく森保一監督が指揮を執る東京五輪で上々のパフォーマンスを見せ、所属先の川崎Fでも複数のポジションで連覇に貢献。ようやく掴んだA代表初招集だった。それでも初陣はスタンドからの観戦。出場機会をうかがっていた23歳はその悔しさを隠さなかった。

 この日、五輪世代としての意識を問われた際も「試合に出たい。国を背負って戦うことは素晴らしいことだと思うし、それができる人も数少ないと思う。そういう舞台に立ちたいという思いがあるだけ。そこで僕たちがやらないとと思っているのではなく、ただ試合に出たいというだけ」とギラギラした思いを語った。

 初めて目の当たりにした最終予選の舞台。普段の試合との違いは感じていたという。

「試合を見ている自分も緊張したし、いつもの自分と違った。練習も楽しいは楽しいけど、責任感だったり、圧は少しずつ感じる。ただ楽しいだけじゃなくて、責任があっての楽しさがある」。

 A代表初招集は初めてだが、2018年末にはアジア杯の直前合宿にトレーニングパートナーとして参加。代表チームの空気感は体験したことがある。

 それでも旗手は「あの時はお客さんじゃないけど、練習相手で行っただけ。今回は本当に試合に出る思いで来ているので違う」ときっぱり。「あとあの時は大会前でリラックスした雰囲気もあったけど、いまは試合の間で緊張感がある。僕自身練習でも緊張するくらいの緊張感がある」
と明確な違いがあると語った。

 チーム合流から5日間。「いろんな話をしていても、練習もそうだけど、試合を見ていてもそうだけど、全員の話やプレーから刺激になっている」。そうして過ごした時間について、旗手は「充実した日々を送れている」と端的な言葉で表現した。

 なぜメンバー入りができなかったのか。「今の現状では入れない」と語った旗手は「自分自身で整理できているので、僕自身はあまり言いたくない」と多くを語りはしなかった。だが、その中でも「やるべきこと」はしっかりと見えているようだ。

 次のオマーン戦ではMF守田英正(サンタクララ)が出場停止ということもあり、インサイドハーフが一枠空席。川崎Fで同じポジションを担っている旗手のチャンスは広がった。

「昨日の試合どうこうより、僕が普段から意識しているのは前に運べる時は前に運ぶ、ターンできる時はターンする、ボールを持っているときはゴールに向かっていくプレーを意識している。ボールを持っていない時はボールホルダーをどうサポートするか。追い越すのか、横に立つのか。日頃のプレーを出せる状況を作っていきたい」。

 ここまで5試合とも1点差ゲームが続き、停滞感も帯びている森保ジャパン。そうした中、期待の若手が虎視眈々と出場機会を狙っている。

●カタールW杯アジア最終予選特集
●カタールW杯各大会予選一覧

TOP