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なでしこオランダ遠征メンバー発表 池田太監督オンライン会見要旨

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なでしこジャパン池田太監督

 日本サッカー協会(JFA)は19日、オンラインで記者会見を行い、オランダ遠征2試合に臨む日本女子代表(なでしこジャパン)メンバーを発表した。25日にアイスランド女子代表戦、29日にオランダ女子代表戦を行う。

 メンバー発表会見では池田太監督が約20分間にわたって質疑に答えた。要旨は以下のとおり。

池田太監督
「皆さんこんにちは、本日はなでしこジャパンのオランダで行われる国際親善試合メンバー発表に参加していただきありがとうございます。また、この遠征ができることになりましたこと、このコロナ禍のなかで、いろんな関係各所の尽力のもと、この遠征、国際親善試合が開催されることになり、本当に様々な方にご協力いただきました。誠に感謝申し上げます。ありがとうございます。

 我々、なでしこジャパンは先月10月に新たにスタートし、来年の1月にインドで行われるアジアカップに向けて、準備をしている最中。また、このタイミングで海外チーム、ヨーロッパのチーム、アイスランドとオランダとできることは、今のチーム状況を図るうえ、また、チームビルディングを進めていく上では本当に大事な遠征となるので、この一つ一つの試合もそうだし、この海外遠征の時間を無駄にしないように選手といろんなことを積み上げていければと思っている。

 この1月までの短い期間の中でチーム作りを推し進めていければと思うので、皆さん、また、いろんなご意見やアドバイスを含めて、日本の皆さんと一緒になって、なでしこジャパンを成長していければなと思っている。よろしくお願いします」

——今回の合宿に当たり、初戦までの時間が短くて2日間しか練習ができない。前回の合宿にいなかった海外組をチームに組み込みながら、新しいチームをつくっていくのは難しいと思うが、どういったところを2日間で落とし込んで試合に臨みたいと考えているか
「初戦までの時間は短いし、日本から来る選手は時差の問題、コンディションの問題もあるけど、その短い時間の中で、トレーニングではピッチ上でいろんな確認をしていきたいと思っているし、ミーティングも上手く使いながら、先月に行ったキャンプの振り返りなども共有しながら、本当に時間を無駄にすることなく、初戦に向けて準備していきたいと思っている」

——前回の合宿に帯同していた宮本ともみコーチに代わり、狩野倫久コーチが入った経緯、理由は
「宮本コーチは今、指導者養成事業の方でライセンスを取る準備をしているというスケジュールの関係で、今回帯同メンバーには入っていない。また、U-16の前回のキャンプも一緒に戦ってチームビルディングに携わってもらった狩野コーチと一緒に、またなでしこジャパンの成長を助けてもらって、遠征に帯同してもらうという流れ」

——今回海外組が初合流するが、期待すること、監督から求めていきたいことは
「新しく海外の選手たちを含めてチーム作りを進められるというのは本当に楽しみにしている。海外での経験も私自身もいろんなことを聞きたいと思うし、選手たちの良さを今のなでしこのチームにどう還元していってほしいかという話もしたい」

——今回の2試合で確認しておきたいことは
「先月のキャンプではチームのコンセプトや狙い、もう少しアグレッシブにボールを奪いにいったり、ゴールを奪いにいったりと、そういったところを強調したところがあったので、そういう戦いのなかでヨーロッパの2チームに対して、できることがどのくらいなのかとか、それによってメリット、デメリットがあると思うので、ピッチ上でどういうことが起こるのかというのを全員で共有できればと思う」

——キャプテンは決まっているか
「国際大会なので、その時に巻く選手が出てくると思うし、このグループの中で、この海外遠征を通じたキャンプの中で、しっかりと決めていきたいと思う」

——2試合の起用プランについて、まんべんなくテストをするプランなのか、主力を決めて2試合を競争させながら戦うのか
「今それをまさに考えているところでもあるけども、まずは選手のコンディションがどうかというところも踏まえて、選手のそれぞれの持っているポテンシャルだとか、パフォーマンスというのは見たいとは思っている。ただ、試合の流れだとか、コンディション等を踏まえながら、初戦に向けて、まず一つ準備をして、そのあとまた、オランダ戦にどういうふうな布陣だとか、メンバーというとこの選考になってくるのかなとは思っている。まずは初戦に向けてコンデションを見ながら準備をしていくことが段階的な考えではある」

——池田監督の初陣ということで注目が集まるが、どのような戦いを見せたいか
「本当に注目してもらえるとありがたい。初戦なんで。どのような戦いと言うか、我々なでしこのアグレッシブさ、ゴールに向かう、ボールを奪いにいくという、そういった縦への推進力みたいのをトライしていきたいと思っている。そういったところがゲームにどう出るか、もちろん相手がいることなので、試合のゲームコントロールを含めてだけども、そういったアグレッシブな戦いが、どのくらいできるかというとこにトライしていきたいと思っている」

——メンバー選考に際し、選ばれた、選ばれなかった差というのはどんなところだったのか。池田監督がどういったところを基準にしたのか
「WEリーグの中には今回選ばれていない選手でも魅力的な選手もたくさんいるし、その中でも、今回メンバーに選んだというところでは、日ごろの自チームでのパフォーマンスもそうだし、グループとして何ができるかという全体的なチームのバランス、コンビネーションを含めたポジションのバランスなど総合的にいろんなところを考えて、今回選出させてもらった」

——現時点での対戦相手の印象は
「まずアイスランドは、国として男子同様、女子も本当に平等に力を入れているチーム。しっかりと組織的なプレーもしてくるし、選手個々の能力もまとまってあるチームなので、そういう初戦のアイスランド戦に我々のコレクティブで、そしてアグレッシブなサッカーが、どういった形でチームの力となるかというのを試したいとは思っている。オランダは近年日本との対戦も多い相手だし、ランキングでも上位であり、オリンピックでもしっかりと戦ったなかで、そのオランダのサイドに特長ある選手がいたりだとか、ストライカーがいる、そういったチーム力のある相手に対して、我々がその相手に、キャンプの中でオランダの特長をどう消しながら自分たちの良さを出していくか、そういった相手との駆け引きというか、やり合いの中で自分たちの通じるもの、もしくはウィーク、そういったところを見極めていきたいと思っている」

——現地の報道でFW岩渕真奈が軽傷で試合に出れなかったという話があったが、試合にできることを確認して招集したのか、それとも初めての海外の活動だから試合には出れなくても呼びたかったのか
「なでしこの活動ですので、プレーできるんじゃないかというところではある。そこの怪我の状況、もちろん岩渕選手だけじゃなくて、各選手同様に、現状をメディカルチームがコンタクトをとりながらやってるところではある。現段階でどうこうというよりは、キャンプのところで一緒にプレーできるところを考えながら、メンバーを選出した段階であるので、今の状況で彼女だけじゃなくて、他の選手も皆健康で集まってほしいなというところはある」

——池田監督のサッカーはアグレッシブでコンパクトでコレクティブだが、オランダのようなピン止めをしてくるようなチームは右に張れば左にも振ってきて、そこでいきなり男子の様なキック力でくると思われる。そこのせめぎ合いに対してリスクと楽しみにしているところは
「我々のコンパクトに対して相手は幅を持って攻撃してきたり、オランダだと、サイドがワイドに張ってくることが多いチームなので、そういったところのせめぎ合いになるとは感じている。そうなった時に、我々がサイドを変えられたときのスライドスピードがどのくらい対応力があるのかもそうだし、ある程度追い込んだ時に取り切れるかどうかというところもポイントになると思っている。また、逆に言えば相手は人と人の距離をとってきて、ボールを動かしてくるのならば、奪ったあとに素早く攻めることで、相手の守備組織が整う前に攻めることもできるんじゃないかなという考えもある。そういったところをトレーニングの中で選手たちと共有して、トライしていければなと思っている」

——チーム力を世界大会に向けてベースを高める部分と、アジアで勝ち切るものを付けていくというところのバランスはどう考えていきたいか
「まずはバランスというか、今の現状でヨーロッパの強豪とやれてどういったところができるかというと、全体的な前回のキャンプで選手たちと共有した事を、また新しい選手たちに共有して戦うというところの方がメインになるところ。そこから次にアジアに向けて、どういうふうにチームでいろんなことを共有していくかというふうな段階的に考えているので、ひとまずは、ヨーロッパの強豪相手に自分たちのやっていこうとしていることが、どのくらいできるかというところのチェックへのウエイトが自分の中ではある」

——JFA女子委員長に佐々木則夫氏が就任したが、佐々木氏から学ぶことや声をかけられたことはあったか
「佐々木さんは、女子のワールドカップ優勝の時の監督なので、いろんな経験をされている方なので、いろんなアドバイスをしていただければと思うし、私にとっても心強いと思っている。また、大宮の仕事をされていた時にも、視察時にいろんなお話もしてもらっているし、一緒に女子のサッカーを盛り上げていければなというところでもお話はした。そういったところで、一緒になって発展させていければなと感じている」

——東京五輪メンバーと若い選手が半分半分に見受けられるが、メンバー選考の意図と融合していくためにはどのようなことが必要か
「今回の海外遠征において、海外組で新しく参加するメンバーもいるので、いろんなメンバーの組み合わせも含めて、特別何か若返りを図るということもなく、日々のパフォーマンスと組み合わせと、ポジションバランスとそういったところのトータル的なところの選考でもあり、また、コンセプトのアグレッシブさを求めていく中で、今回のメンバーを選ばさせてもらった」

——首位で無敗のINACからは3選手のみの招集となり、これまで選ばれてきた選手が入らなかったが、池田監督のイメージの中で、攻守ともにメンバーが揃っているという考えか
「コンディションの問題だとか、メンバーのバランスだとか、そういったところも含めて考えていってるところが大きい。WEリーグの今の順位だとか、そういったところも、もちろんそこで活躍して、そういう順位にいるというところは、1位のチームもそうだし、2位3位その他もそうだけども、全体の選手のパフォーマンスのなかで、バランスというか、今のチームにどういった影響があるのかも含めて、選ばさせてもらった」

——今回を経て、改めてメンバーが変わっていく要素はあるか
「12月にもトレーニングキャンプはできるというようなことで、準備を進めているし、その時にまたどういったメンバーでやるかというところも、あと招集の人数も含めて変化ができればなと。多くの人数を呼べて、また少しいろんな選手と一緒に戦う準備ができればなと思ったりもする」

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