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上位対決でチャンス得て奮闘も「悔しかった」。初先発の大津MF佐藤歩夢は貴重な90分間を成長の糧に

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初先発ながら球際の部分などで奮闘した大津高MF佐藤歩夢

[11.21 高円宮杯プレミアリーグWEST第16節 G大阪ユース 2-2 大津高 OFA万博フットボールセンターG]

 この日、上位対決に臨んだ大津高(熊本)は、大型ボランチのMF薬師田澪(3年)と高速SB日高華杜(3年)の主軸2人が大学受験のために欠場。だが、平岡和徳総監督は「次の選手が進化するチャンス」と意に介することなく、右SB和田理央 (3年=小倉南FCジュニアユース出身)とMF佐藤歩夢(3年=大分トリニータU-15宇佐出身)を先発起用した。

 公式戦での経験値豊富な和田は堅実な守備とビルドアップ。公式戦初先発の佐藤も「黙々とやってくれる」(平岡総監督)という期待通り、中盤での奪い返しの部分で奮闘し、丁寧にパスを散らすなどチームに貢献していた。一方で薬師田と日高不在の影響も大きく、我慢の展開だったが、彼らの頑張りが勝ち点1を引き寄せたことは確かだ。

 佐藤は「(ボール奪取については) 自信持っているので今日もできたと思います」と頷いた一方、「今日は2人いなかったので得点やアシストで結果を残したいという気持ちがあったんですけれども、それができなかったのはとても悔しかったです」と自己評価していた。

 出番を勝ち取るために「守備の部分とかでマジメにやり続けることだったり、セカンドチームの方で攻撃に関わっていく部分は意識してきた部分です」という佐藤。チャンスを得たからにはやってきたことを発揮するだけでなく、チームにプラスアルファをもたらさなければならない。何より結果を出すことを目指していた。

 佐藤は悔しがっていたが、U-22日本代表MF中村仁郎(3年)をはじめ、タレント並ぶG大阪ユース相手にフル出場し、通用した部分もある。今後へ向けて大きな90分間となったことは間違いない。「今日できた部分とできなかった部分を振り返って、そういう部分を今後練習やプレミアリーグの高いレベルでチャレンジして行って成長していければ良い」。次のトレーニングからまた貪欲に成長を目指す。

 次節も主軸の欠場が予想される状況。山城朋大監督は、「きょう佐藤が頑張ったみたいに、色々な選手でカバーしていければ」と期待する。佐藤や和田、また彼らの奮闘に刺激を受けた選手たちがベンチ入り、先発を懸けて競争。そしてチャンスを得た選手が全力で自分の力をぶつけ、成長へのきっかけを掴む。
 
(取材・文 吉田太郎)
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