[11.26 Jヴィレッジドリームカップ U-16日本代表候補 3-1 U-16福島県選抜 Jヴィレッジ]

　ベンチ含めて一体感ある戦いを見せたU-16日本代表候補は、後半31分にFW貴田遼河(名古屋U-18)の決めた勝ち越し点でそのムードも最高潮に。そして、勝利へ向けて非常に良い雰囲気の中で迎えた45+1分、MF石井久継(湘南U-18)がスーパーゴールでチームにさらなる興奮をもたらした。

　敵陣右中間でMF石渡ネルソン(C大阪U-18)からパスを受けた石井は、時間稼ぎではなく、ゴールを狙うことを選択。得意な位置からドリブルで仕掛けた背番号8は2度の切り返しでDFをかわすと、シュートモーションからの切り返しでさらに1人を抜き去る。最後は滑り込みながら右足シュートを決めた。

　計3度の切り返しでDF2人をかわして決めたスーパーゴール。石井は「ボク、小さい頃からフットサルとかやっていたので足先でのプレーが結構得意で、キックフェイントとか結構自分の得意なプレーとしてきました。後ろから(サポートが)1人来ているというのが分かっていたので、そこは感覚でやった感じでした」。会心のゴールを素直に喜んでいた。

　前日の初戦も前線でアイディアとテクニックを表現し、チャンスメーク。以前の合宿に比べて、明らかに存在感が増している印象だ。「(前回招集された際の合宿で)明確に出た課題が浮き球の処理だったり、後ろ向きでのアイディアが課題だったので、チームの練習でそこに取り組んできたので、今回の2試合ではよくできていたので良かったです」と微笑む。

　小学生時代に“天才サッカー少年”“未来の日本代表候補”とメディアに報じられていた石井。ただし、中学時代、高校生になってからも世代をリードしてきた訳ではない。「ボクは小さい頃からフィジカルが高かったり、身長が高かったり、そういう選手ではなかったので技術の面では絶対にそういう選手には負けてはいけないと思っていたのでできる努力は全部してきた」という。

　特に年代別日本代表では結果が出ずに悔しい思いをしてきたが、積み重ねてきた成果を表現。「凄く嬉しかったです」というゴールで自身の実力を印象づけた。今回のJヴィレッジドリームカップはU-17日本高校選抜との1試合を残すだけ。「最後に勝って(優勝して)みんなで喜べたら良い。(相手は)1つ上なんですけれども、凄く良い選手がいたり、自分も知っている選手が多いので、良いところは盗みつつ、でも自分が結果出してこのチームを勝たせるというのは目標でやっていきたいと思っています。(ボールを受ける回数も)もっと回数を増やしたいので、そこからはボクは自信があるので、もっとボールをもらえるようになったら良いなと思っています」と力を込めた。岡山県出身。神奈川で満足せずに努力を続けてきた才能が、最終戦でもゴールと勝利を目指す。

(取材・文　吉田太郎)