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[関東]拓殖大が1部残留!東京学芸大を“入れ替え戦”で下す「来年は今年以上」ハイレベルな残留争いの中で1年生が成長

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拓殖大が1部残留を決めた

 2021年関東大学サッカーリーグ戦1部参入プレーオフ、12チームで戦う現行制度になった2005年以降では初となる“入れ替え戦”が27日に浦安市陸上競技場で行われ、1部10位の拓殖大が2部3位の東京学芸大に1-0で勝利し、来季の1部残留を決めた。

 今季の1部リーグは優勝争い以外の下位は大混戦。大学選手権(インカレ)出場を決めた国士舘大から最下位で降格が決まった慶應義塾大までの勝ち点差は6。残留した8位の順天堂大、9位の桐蔭横浜大と、降格する11位の立正大、12位の慶大は勝利数は同じ7で並び、8勝を挙げた拓大が参入プレーオフに回るなど、紙一重だった。結果的にそんなハイレベルな1部残留争いを戦った拓大が、初の残留を勝ち取った。

 引き分けでも残留が決まる拓大は前半、コイントスで風上を取って積極的に試合を進めようと試みた。なかなかリズムを作れずにいたが、遠目からのシュートで局面の打開を図ると、迎えた前半36分、右サイドのエリア内でボールを受けたFW加賀美右京(4年=甲府城西高)がグラウンダーのシュート性のボールを入れると、ファーサイドの詰めたMF山中麗央(4年=市立長野高)がワンタッチで流し込み、スコアを動かした。

 前半で1点をリードした拓大は、後半の相手の攻勢も落ち着いてかわしていく。11分に許したFW鈴木魁人(4年=清水ユース)の落としからMF後藤健太(2年=青森山田高)に狙われたボレーも枠上に外れる。同14分に左サイドから勢いよく侵入を許したMF武沢一翔(4年=鹿島ユース)のシュートも、GK高麗稜太(3年=西武台高)がキャッチした。

 拓大は前回昇格した11年前はリーグ最下位に終わったことで1年で2部に降格してしまった。玉井朗監督によると、当時は小林悠(現川崎F)らが卒業した年で大幅な戦力ダウンが重なったシーズンでもあったが、今年のチームはそれなりに戦える自信を持っていたという。

 前期リーグを最下位で折り返したことで難しいシーズンになってしまったが、それでも後期リーグからは下級生が台頭。特にMF日野翔太(1年=堀越高)、DF関根大輝(1年=静岡学園高)がレギュラーを掴んだことで、チームに厚みが出た。また先日行われたインディペンデンスリーグ(Iリーグ)の3位決定戦で明治大を撃破。未来へ向けた楽しみも広がっている。

 玉井監督は「幸運が転がってきている」とニンマリ。「真面目によく頑張っている」と学生らの日ごろの姿勢を称えると、「来年は今年以上にチーム力が向上すると思っているので頑張りたい」と来季に向けた手ごたえを口にした。

 一方の東京学芸大の2012度以来となる1部復帰はならなかった。勝つしかない一戦。後半は相手シュート数を上回る猛攻でチャンスを量産したが、今季リーグ戦の得失点差-4が示す通り、今季の得点力不足を浮き彫りにする試合になってしまった。

 都リーグから2部リーグに復帰したシーズンで3位。ただ1部昇格にはあと一歩届かない結果に終わった。1年生から試合に出続けた4年生の多くが卒業することで、また一からのチーム作りを求められることになるが、星貴洋監督は「苦しいシーズンになるだろうなという覚悟を持ちつつ、準備するしかないと思います」と気を引き締めた。

●第95回関東大学L特集

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