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ミス、主軸の怪我を全員でフォロー。発足5日のU-17日本高校選抜は日々成長して活動終える

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前半40分、U-17日本高校選抜FW香西銀二郎(立正大淞南高2年、左)が左足で先制ゴール

[11.28 Jヴィレッジドリームカップ U-16日本代表候補 3-2 U-17日本高校選抜 Jヴィレッジ]

 激闘の末、後半ラストプレーの失点で惜敗。U-17日本高校選抜は年上のプライドを持ってU-16日本代表候補戦勝利を目指していただけに、悔しい結果となった。

 最終成績は1勝2敗で3位。それでも、24日に発足したばかりのチームにとって、前向きな5日間の活動だったことは間違いない。発足2日目の初戦(25日)はキャプテンのFW福田師王(神村学園高2年)が負傷退場して10人での戦いを強いられるアクシデントもあり、U-16福島県選抜に0-2で敗戦。コンビネーションもバラバラでそれぞれの良さを十分に発揮できないまま、年下の県選抜チームに敗れる屈辱を味わった。

 それでも、コーチ陣の「絶対良くなる」という言葉を信じて、選手同士がコミュニケーションを取り、戦い方を整理して臨んだ第2戦・横浜FCユース戦(26日)を3-0で終えた。そして、勝てば優勝の可能性が高まるU-16日本代表候補戦は、前半終了間際にFW香西銀二郎(立正大淞南高2年)のファインショットで先制。各選手のハードワークも印象的な前半だった。

 後半はミスが失点に繋がり、逆転を許す展開。だが、蒲原晶昭監督(佐賀東高)が「(今回の活動に)ネガティブな要素はないから、どれだけ自分を出せるかなんで、失敗とか、連係ミスとか全く関係ない、みんなでフォローしようと言ってポジティブなところだけだった」と振り返ったように、ここでも全員でフォローして反撃する。

 そして17分、FW小林俊瑛(大津高2年)の右足ボレーがポストを叩きながらも諦めずに跳ね返りを繋ぎ、最後は小林のヘッドからFW福田秀人(米子北高2年)が同点ゴールを奪った。

 狭いスペースでもボールを失わずに縦パスを通すなど相手の脅威になり続けていたMF大迫塁(神村学園高2年)や、初戦の敗戦から挫けずにリーダー役を全うしたCB新谷陸斗(東山高2年)をはじめ、各選手がチームの中で力を発揮。エース格の福田師やキーマンのMF堀川大夢(流通経済大柏高2年)をケガで欠いていたが、それでも全員でフォローしながら最終戦で最も内容の良い試合をしてのけた。

 幾度も勝ち越しのチャンスを作りながらも相手GKのビッグセーブに阻まれたことや、ラストプレーでのセットプレーからの失点は反省点。年明けから再開される予定の活動では、よりチームとして向上して行くことを目指す。

 蒲原監督は5日間を振り返り、「過密であったけれど、終わってみたら成長して行っているんで、良いきっかけにしてもらえればありがたい」とコメント。選手たちには「悔しい気持ちもあるようだけど、もう一回パワーアップして集合しようと話しました」という。20人中17人が12月28日開幕の全国高校選手権に出場。濃密な5日間を経験した選手たちは、他の1、2年生に負けないプレーをして、次のチャンスを掴む。

(取材・文 吉田太郎)
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