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国内組限定の森保Jに多様な顔ぶれ22人…札幌FW小柏は“五輪活動なし”から大逆転抜擢、久保に続くパリ世代も登場

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 日本サッカー協会(JFA)は7日、1月21日に埼玉スタジアム2002で行われるキリンチャレンジカップ・ウズベキスタン戦の日本代表メンバー22人を発表した。国内組限定の招集ということもあり、W杯最終予選を戦う常連組、森保ジャパン招集経験を持つ復帰組、東京五輪世代からの昇格組、パリ五輪世代も担う初選出組と多様な顔ぶれが揃った。

 国際Aマッチウィーク期間外に行われる異例の国際親善試合。開催を熱望していた森保一監督は7日にオンラインで行われたメンバー発表会見で、今回のメンバーへの期待を語った。

「国内組で構成される日本代表だということは私にとってもすごく楽しみ。海外にも多くの選手たちが活躍してくれているが、Jリーグで活躍する国内組もまだまだこんなにいい選手がいるというのをこの試合の中で見せてほしい。結果をもって、内容をもって、ウズベキスタン戦を見ている人々に日本の選手層は厚いな、強くなったなと思ってもらいたい」

 招集メンバーは通常のベンチ上限枠より一人少ない22人。オフシーズンの各クラブに配慮し、「紅白戦も含めて余剰選手が一人も出ないように」という最小限の陣容となったものの、代表経験や年齢など幅広いバックグラウンドを持つ選手たちが集まった。

 まず森保ジャパン主力組と言えるのはカタールW杯アジア最終予選で主力を担っているGK権田修一(清水)、DF長友佑都(FC東京)、DF酒井宏樹(浦和)、FW大迫勇也(神戸)の4人。また東京五輪の正守護神からA代表定着を勝ち取ったGK谷晃生(湘南)、W杯予選11月シリーズで2試合に先発したDF山根視来(川崎F)、発足当初からコンスタントに選出が続くDF佐々木翔(広島)も彼らに続く“常連組”として数えることができそうだ。

 加えて11月シリーズにも選出されたが不出場に終わったDF谷口彰悟(川崎F)をはじめ、MF江坂任(浦和)、DF中谷進之介(名古屋)、MF稲垣祥(名古屋)、MF脇坂泰斗(川崎F)はいずれも2021年に入ってからの森保ジャパン初招集をつかんだ選手たち。谷口以外は最終予選開幕後は選外が続いており、この復帰で再アピールの機会が与えられる形となった。

 復帰組といえばFW武藤嘉紀(神戸)の選出は大きなトピックとなった。2019年初頭にUAEで行われたアジアカップ以来、約3年ぶりの代表選出。今夏ニューカッスルから神戸に加入し、6年ぶりのJリーグ復帰を果たした中、半年間で14試合5ゴールを挙げた活躍が評価された。

 東京五輪世代の融合もさらに強まった。11月シリーズでW杯予選初招集を果たしながらも2試合ともベンチ外に終わったMF旗手怜央(川崎F)、FW前田大然(横浜FM)、FW上田綺世(鹿島)に加えて、MF相馬勇紀(名古屋)、MF渡辺皓太(横浜FM)も選出。相馬は19年12月のE-1選手権、渡辺は18年夏のコパ・アメリカ以来の復帰となった。

 さらに東京五輪で出場なしに終わったDF瀬古歩夢(C大阪)は待望の初招集。また明治大出身のルーキーで1998年生まれのFW小柏剛(札幌)も初選出を果たしたが、東京五輪世代の活動経験なしからの大逆転昇格となった。加えてMF久保建英(マジョルカ)に続く2001年度生まれのパリ五輪世代も新たにA代表レースに参戦。所属先で瀬古とコンビを組むDF西尾隆矢(C大阪)、今季10代選手で27年ぶりの二桁ゴールを記録したMF荒木遼太郎(鹿島)が初めて選ばれた。

 森保監督はこうした代表経験の浅い選手について「代表の活動に慣れてほしい、そして今後の成長につなげていってもらいながら、クラブで大きな存在感を放ち、代表としても戦力になってもらいたいと考えている」と期待。また「序列を崩すという意味では経験の浅い選手が割って入ることも十分にあると思う」と起用への意欲も示した。

 シーズンオフの休養に配慮するため大幅な前倒しでのメンバー発表となったが、合宿スタートは来年1月17日。4日間のトレーニングを経て、21日のウズベキスタン戦に臨む。直後にはカタールW杯最終予選2試合を控えているため、主力組の連戦起用は考えにくく、代表経験が少なかった選手にとっては大きなチャンス。まずはトレーニングからアピールすることが大切になりそうだ。

(取材・文 竹内達也)
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