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[MOM771]駒澤大DF桧山悠也(4年)_3年越し全国制覇まであと一勝…決勝の扉開く追撃ヘッド

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駒澤大DF桧山悠也(4年)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.18 インカレ準決勝 明治大0-3駒澤大 NACK5]

 駒澤大は2018年度の全日本大学サッカー選手権(インカレ)で決勝に進出。2006年度以来の優勝に王手をかけたが、法政大に0-1で敗れた。当時インカレ全試合に先発出場したDF桧山悠也(4年=市立船橋高)。あの舞台に再び上がるため、自らのヘディングシュートで3年ぶりとなる決勝の扉をこじ開けた。

 例年では相性の悪い明治大に対し、駒大は今季3度の対戦で全勝。4度目の対戦となるインカレ準決勝でも、前半26分にFW荒木駿太(4年=長崎総科大附高/鳥栖内定)が先制点を奪い、先手を打つことに成功した。

 しかし、前半途中での先制ゴールでは、まだ試合はわからない。秋田浩一監督が「見た目よりは厳しかった」と語るように、カウンター主体の駒大に対し、明大はボール保持からの攻撃でゴールに迫る。追いつかれれば、形勢は一気に逆転する可能性も。難しい試合展開になる予兆が見られた。

 すると先制から6分後、駒大に一気に試合の流れが傾く。呼び寄せたのは桧山だった。

 駒大は前半32分、右サイドラインからのスローインでリスタート。だが、ボールは右サイドに跳ね返される。MF江崎巧朗(4年=ルーテル学院高/熊本内定)が狙いすましたクロスを上げると、待ち構えた桧山が相手選手と競り合いながら、ヘディングシュート。体勢を崩しながら合わせたボールはゴール左隅に入り込み、駒大が2-0と点差を広げた。

 2得点を取らなくてはいけなくなった明大に対し、カウンター主体の駒大は一気に優勢に。その後も試合を支配し、後半34分にはFW宮崎鴻(4年=前橋育英高/栃木内定)がダメ押しの3点目を挙げる。そのまま無失点で逃げ切り、3-0で3年ぶりの決勝進出を決めた。

 思い出すのは、まだ1年生だった3年前のインカレ。桧山は全試合で先発出場し、法大との決勝でも後半33分まで走り続けた。「決勝の舞台を経験させてもらって、悔しい思いをしている。歴代の先輩方だったり、悔しい思いをしている先輩方の思いを、来週阪南大学さんにしっかり勝ち切って、最後、笑ってみんなで終われるに頑張りたい」。

 1年生のインカレ後に少し伸びていた髪型は、学生最後の舞台で再び丸坊主となった。だが、この4年間で伸び続けたものもある。「技術とかはそんなに上達したという印象はない。だけど、守備の選手でもあるので、100回あったら100回きちんとやる。そういう細かいところは、1年のころよりさらに意識して取り組めている」。致命的なミスを生まない、堅実な選手に成長した。

 3年前のインカレ決勝直後、桧山はこう語っている。「4年生が高い意識を持って常に取り組んでくれて、自分は貢献できたというより、それに乗っかるしかできなかった。この悔しさを忘れずに、この舞台に戻ってこれるように。個人でもレベルアップしないといけない」。3年越しの頂点へ。残り1試合で、大学4年間の区切りをつける。

(取材・文 石川祐介)
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